しかし、HomeKitと連携する実際の製品は、現時点ではそれほど多くない。現在、SiriおよびHomeKitと連携するいくつかのスマート電源プラグアダプタ、照明製品がPhilipsやLutronから、そしていくつかのサーモスタットが販売されているが、Appleは慎重なアプローチを取っているようだ。同社はまだ自社のスマートホーム製品ファミリーを家庭用機器全体に開放していない。
Appleがすべてを結びつけるEcho風デバイスを発表して、スマートホームへの取り組みを急速に加速させる可能性もある。
Ayla Networksの最高経営責任者(CEO)を務めるDave Friedman氏は、AppleがEchoに対抗する製品を開発する可能性について、「必然のこと」と語る。「すべての大手企業は互いに競争し合っている。GoogleにはNest、AmazonにはAlexa、AppleにはSiriがある。Siriは既にHomeKitの土台であり、今後さらに多くのものと連携するようになるはずだ」(同氏)
Friedman氏(同氏がCEOを務めるAyla Networksは、メーカーがインターネット接続可能な電化製品を作るのを支援する企業)によると、AppleがEchoに対抗する製品に取り組んでいるのかどうか直接的には知らないが、今後、音声操作はより多くの製品に拡大すると考えているという。
Appleが自社版のEchoスマートスピーカーを開発すると予想する者もいるが、今後もソフトウェアとSiriに専念する可能性もある。2016年6月開催予定のAppleの開発者向けカンファレンスで、同社はおそらく、より多くのHomeKit機能について話すはずだ。それには、新たにサポートされる電化製品や、HomeKitと「Apple TV」をよりうまく連携させるために考えられる方法などが含まれるかもしれない。
Appleはスマートスピーカーの可能性について、コメントすることを控えた。
2015年10月にリリースされたAppleの新型「Apple TV」は、インターネット接続機能を備えた電化製品のコントロールセンターとしての役割を果たすのではないか、と多くの人が予想した。そして、その予想はある程度当たった。Apple TVは自宅内の中継デバイスとしての役目を果たし、リモートのiPhoneと自宅内の(Apple TVと同じWi-Fiネットワークを共有する)スマートガジェットを接続する。
Apple TVは音声入力機能も備えるが、その機能は同デバイスのリモコンを通して提供されている。Apple TVのリモコンに搭載されたマイクを使って、基本的なメディア再生のコマンドを発したり、さまざまなストリーミングサービスを対象にコンテンツを検索したりすることが可能だ。また、2016年3月にリリースされた最新ソフトウェアアップデートを適用すれば、音声による文字入力機能で、アプリを検索したり、パスワードを入力したりすることもできる。しかし、iPhoneのSiriと異なり、Apple TVは、HomeKit対応の家庭用ガジェットを制御するよう求める音声コマンドを受け付けない。
現在のところ、Apple製品に対応するスマートホームの中心となっているのはiPhoneだ。
Creative StrategiesのアナリストであるTim Bajarin氏は、「Appleは市場の動向を観察した後、自ら参入して、より洗練されたものを提供する。彼らは必ずしもものを発明するわけではない。彼らはものを新しく作り変えるのだ」と述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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