先週、筆者はFacebookを使わずに過ごそうとしてみた。
断固として避けたわけではない。ただ、Mark Zuckerberg氏が10年以上前に作って以来、世界中の人がこれほど長い時間を費やしているソーシャルネットワークを、自分が実際にどのくらい使っているのか知りたかっただけだ。
結局のところ、筆者は手を出さずにはいられなかった。たびたびニュースフィードをスクロールしては、興味深いニュースを見逃していないかと探してしまい、寝る前にちらっと見ることもあった。Facebook自体を使っていないときでさえ、スマートフォンで「Instagram」と「Messenger」はチェックしていた。どちらもFacebookが所有するアプリだ。
大学生向けの真新しいサービスから始まり、3220億ドルの価値を持つ企業へと発展したFacebookの秘密が、まさにここにある。つまり、Facebookを使っていないときも、ユーザーは「非Facebook」で楽しんでおり、その引力圏から離れられない。
「非Facebook」というのは、Facebookの一部ではないものすべてという意味だ。Facebookはニュースフィードが中心で、赤ん坊の写真が大量に投稿され、政治に関する暴言が並ぶソーシャルネットワークであり、社内では「Big Blue App」と呼ばれている。
Facebookのソフトウェア開発者向け年次カンファレンスF8では、そうした周辺的な製品が中心になりそうだ。2016年のF8は、米国時間4月12日にサンフランシスコで開幕する。Facebookは例年、ここで新しい製品を発表し、今後1年の同社の基本方針を示している。
「コアとなるソーシャルネットワークは、多くのものを吸収することしかできない。ユーザーがやりたいと思っていて、(企業としての)Facebookが支援できることは他にある」。Jackdaw ResearchのプリンシパルアナリストであるJan Dawson氏はこのように語る。
過去数週間は、確かにそのとおりだった。同社が大きな注目を集めたニュースのいくつかは、Facebook以外の製品に関する話題だった。Instagramでは、動画の長さの制限が15秒から1分になった。また、Messengerが人工知能ボットやモバイル決済のハブになるとのうわさが、いくつも流れている。
しかも、これらはZuckerberg氏のモバイルアプリだけに限った話だ。
仮想現実(VR)ゴーグル「Oculus Rift」も大々的に宣伝されている。Facebookとしてこれまでで最大の賭けかもしれない。Oculus Riftは3月下旬に発売された。米CNETのレビューアーSean Hollister記者は、Oculus RiftのVR体験に「息をのんだ」という。FacebookはOculusを2014年に20億ドルで買収した(米CNETは先週、各種VRヘッドセットを一般ユーザーが試用できる機会を設けたところ、ユーザーはRiftに夢中になっていた)。
Facebookは、このような非Facebookへの賭けに2倍の賭け金で臨もうとしている。
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