Appleは米国時間4月1日、設立40年を迎えた。
40歳といえば、Urban Dictionaryでも、公式に「最盛期を過ぎた」年齢とされている(40歳以上の方には申し訳ないが)。人によっては、この人生の節目を迎えたときに少し不安になり、場合によっては中年の危機に陥ることもある。AppleがPorsche車に大金をつぎ込むようなことはないだろうが(同社が自動運転車を開発中とのうわさはさておき)、この40年という節目は、言ってみれば、さらに成熟した段階の企業にふさわしいようだ。
「知の自転車」を作るという使命を掲げて1984年に「Macintosh」コンピュータを発表したころのAppleは、横柄なヒッピー企業だったが、今はそうではない。また、倒産寸前の窮地で苦しんでいたところへ、1997年にSteve Jobs氏が経営に復帰し、「Think Different」(発想を変えよう)と呼びかけたころとも違う。
2000年代に入って、「iPod」と「iTunes Store」「iPhone」「iPad」、さらには実店舗「Apple Store」と、次々に大ヒットを送り出していたときのAppleでもない。
現在のAppleは成熟した企業であり、何億人というユーザーが10億台以上の同社製品をさかんに使っている。製品ラインアップは同社史上かつてないほど広がり、時価総額6040億ドルと、世界で最も価値のある企業だ。
Appleは世界の頂点に立っている。だが、はたして同社は絶好調なのだろうか。
「40歳ともなれば、ある程度いろいろな経験を積んでいるものだ。刺激的であることだけが求められる年齢ではない。インストールベースで膨大な数のユーザーを抱えていることを自覚し、そのユーザーに気を配る必要がある」。Kantar WorldpanelのアナリストCarolina Milanesi氏はこのように語る。
今のところ、刺激的なことはどれも、Apple本社以外で起こっているようだ。Appleが長年にわたって退屈だと評してきたMicrosoftは、先週、拡張現実ヘッドセットの「HoloLens」で再び世間をあっと言わせた。Facebook傘下のOculusは3月28日、仮想現実システム「Oculus Rift」で大きな一歩を踏み出した。TeslaとGoogleは自動車のイノベーションで先陣を切っており、Amazonはデジタル音声アシスタント「Alexa」で、スマートホームの中心的存在になっている。
Appleは基本的に、新しい市場にまっ先に参入する企業ではない。確立されてはいるが、まだ成熟していないテクノロジを活用して、どこよりも洗練された製品を作り上げる企業だ。
「Steve(Jobs氏)は、『芽生えたばかりの技術』に投資するのだと言っていた」。PRとマーケティングの権威Regis McKenna氏はこう語る。同氏はMacの立ち上げを助け、Appleの共同創設者であるJobs氏が2011年に死去するまでアドバイスを続けた人物だ。
以前から続く疑問は、Jobs氏のいないAppleに、もう一度同じことができるかどうかということだ。
Appleからコメントはなかったが、最高経営責任者(CEO)のTim Cook氏が今後期待していることについて語った最近の見解を、米CNETに紹介してくれた。
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