Appleは、旧型の「iPhone」と「iPad」のみを対象に「iOS 9.3」の新しいバージョンをリリースした。アクティベーション処理の不具合に起因して、これらの端末はセットアップ時に使用できなくなる問題が生じていた。
名称はiOS 9.3のままで提供された今回の新しいバージョンでは、旧型端末においてユーザーがパスワードを忘れてしまった場合に、端末に関連付けられた「Apple ID」とパスワードを確認するステップ以降に進めないという、いわゆる「アクティベーションバグ」が修正されている。
Appleは先週、このアクティベーション問題を受けて、「iPhone 5s」以前の機種と「iPad Air」以前の機種に対してiOS 9.3の配信を中止していたが、米国時間3月28日に新しいバージョンをこれらの旧型モデルを対象にリリースした。この新バージョンは、ビルド番号が13E237である点で最初のバージョンと区別される。
同バージョンは、無線アップデート、またはデスクトップ上で「iTunes」を介してインストールすることができる。
先週には、同様のアクティベーション問題が生じていた「iPad 2」のみを対象に、ビルド番号13E236のiOS 9.3がリリースされており、今回のリリースはそれに続くものである。ビルド13E237では、この問題が生じていたiPad 2以外の「iOS」端末を対象に、このアクティベーション問題が修正されている。
Appleは、この問題に関するサポート文書を更新し、対象端末の所有者は、端末をセットアップしてソフトウェアアップデートを完了するためにApple IDとパスワードの入力を求められる場合があると説明した。
ここでユーザーがパスワードを忘れてしまっている場合、端末はセットアップの途中で停止してしまい、使用できなくなる可能性がある。
またAppleは、「Activate iPhone」(iPhoneをアクティベートします)画面に表示されるApple IDのヒントが、ユーザーの現在のApple IDと異なる場合があることにも触れている。
Appleは回避策として、コンピュータからiCloud.comにサインインし、パスワードをリセットするか、アクティベーションロックを解除することを推奨している。もう1つの方法として、USBによって端末をコンピュータ上のiTunesに接続し、そこから端末をアクティベートする方法も示している。
アクティベーション問題は修正されたが、「Mail」「Messages」「Safari」やGoogleの「Chrome」ブラウザからリンクを開こうとすると一部のアプリがクラッシュする、もう1つの煩わしい問題をAppleが修正するまでは、iOS 9.3へのアップデートを待ちたいと考えるiPhoneユーザーもいるかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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