現在のApple本社で最後のイベント、iPhone SEなど発表--Appleニュース一気読み

 3月14日~3月22日のAppleに関連するCNET Japanのニュースをまとめた「今週のAppleニュース一気読み」。

アップル、4インチ「iPhone SE」発表-iPhone 5/5sボディに6sのスペックを搭載
アップル、4インチ「iPhone SE」発表-iPhone 5/5sボディに6sのスペックを搭載

 Appleは、米国時間3月22日に本社で開催したメディアイベントで、4インチに最新スマートフォンの機能を凝縮したiPhone SEと、PCからのリプレイスを明確に狙う9.7インチiPad Pro、Apple Watch Sportの100ドル値下げ、日本製ナイロンバンドを含む新しいバンドの追加、そしてiOS 9.3やtvOSのアップデートなどを行った。

 イベントの冒頭ではFBIとの間で繰り広げられてきたiPhoneのロック解除問題についても触れられたが、当日の朝にFBIが「iPhoneのロック解除を行える」としてAppleへの要請を取り下げる構えとなったことから、「顧客のプライバシーとデータを守る責任がある」ことを言及するに留まった。

 Appleは4月1日に40周年を迎える。冒頭のプライバシーに加えて、地球環境問題と、人々の健康を守る企業としての取り組みを紹介した。

 環境問題については、100%再生エネルギーを活用した活動を目指しているとし、米国/中国においてはすでに達成している点をアピールした。加えて、iPhoneをネジ1本まで分解して分別するロボットLiamのビデオを公開し、iPhoneのリサイクルプログラムで何が起きるかを紹介している。

 また、これまでResearchKitで、医療研究の手段を提供してきたが、新たに披露したCareKitでは、実際の医療行為を行うためのアプリを開発できるようになった。

 なお、Appleの現在の本社で行われるイベントは今回が最後となる。会場となった200名ほどが収容できる通称「タウンホール」では、初代iPodが発表された場としても知られている。

 次回本社で開催するイベントは、2016年末に完成する予定の宇宙船型のApple Campus 2となることを告げ、イベントの最後を締めくくった。

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iPhone 5sのデザインにiPhone 6sの機能を詰め込んだ「iPhone SE」

 iPhone SEについて、Appleは「もっとも高いパフォーマンスを誇る4インチスマートフォン」と説明する。簡単に言うと、iPhone 5sと全く同じデザインに、最新のiPhone 6sの機能を詰め込んだ製品だ。

 この製品の位置付けは、「初めてスマートフォンを持つユーザーに、最高のiPhone体験を提供する」ことだ。

 例えば若年層や新興国のユーザー、コンパクトなデバイスを好むユーザーは、これまで2年前のiPhone 5sを選ぶしかなかった。Androidスマートフォンも含め、画面の大型化が進む中で、4インチサイズのスマートフォンに市場性がある、と判断した結果と言えるだろう。

 全く同じデザインと指摘したが、表面の仕上げは異なっている。すぐ目につくのはエッジが、鏡面仕上げからつや消しに変更され、背面と同じ表面の触り心地になった点だ。また、新たにローズゴールドが追加された。それ以外に変更点を見つけることはできない。

 iPhone 6sの性能に準ずる仕様となっているiPhone SEだが、異なる点もある。まず内蔵されているセンサだが、iPhone SEには気圧計が省かれている。またTouch IDも旧世代のもので、認識速度は遅い。また、ディスプレイはRetina HDではなく、iPhone 5sと変化はないため、3D Touch、TapTic Engineもサポートしていない。

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PCからのリプレイスを明確に打ち出した「9.7インチiPad Pro」

 PCからのリプレイスを明確に打ち出したのが、今回発表されたiPad Proの9.7インチモデルだ。もっとも人気のあるタブレットをSmartKeyboardとApple Pencilに対応させ、Microsoft Surfaceとの競争力を持たせることで、PC市場からユーザーを獲得しようという戦略モデルだ。

 AppleのiPadの売り上げは下降トレンドに入っており、iPad Proは12.9インチモデルとともに、6億台とも言われる5年以上古いPCからの買い替え需要を狙おうとしている。

 性能面では既に発売されている12.9インチモデルに準ずる。A9Xプロセッサ、明るさ、色再現性を高め、これまでより40%反射を抑えたPro Display、自動切り替え機能付の4スピーカ、前述の通り、コンパクトなカバーにキーボードを搭載したSmartKeyboardも小型のものが用意され、Apple Pencilをサポートした。

 さらに、iPadシリーズとして新たなデザイン、機能の搭載も盛り込まれている。

 セルラーモデルは、これまでのプラスチックの大きなアンテナ部のデザインが改められ、iPhone 6sのようなシンプルなラインになった。より洗練された印象を与えてくれる。Apple SIMも内蔵され、海外で使用する際に便利だ。

 また、ディスプレイには、環境光から最適な色温度に変化させるTure Tone機能が搭載された。

 さらに、iPhone 6sと同等の1200万画素カメラを搭載し、4Kビデオ撮影をサポートした。A9Xプロセッサは、iMovie上で4Kビデオを3ストリーム同時に扱えるなど、その編集機能のパワフルさが魅力だ。4K撮影と編集を1台で実現する初めてのiPadとなった。

 Wi-Fiモデルの32Gバイトが6万6800円、128Gバイトが8万4800円、256Gバイトが10万2800円。Wi-Fi+Cellularモデルは、32Gバイトが8万2800円、128Gバイトが10万800円、256Gバイトが11万8800円。

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Apple TV

 Apple TV向けのtvOS 9.2も披露された。強化されたのは、音声認識の活用だ。アプリ検索でもSiriが利用できるようになったほか、文字入力にも音声入力が可能となった。

 また、ホーム画面ではフォルダによるアプリの整理をサポートしたほか、アプリ切り替えの画面も新たなものになっている。

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その他

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