Appleと米司法省による法廷対決の数日前に発売されるTIME誌の特集記事で、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏がインタビューに応じている。Appleと司法省は、テクノロジ企業が捜査当局の調査にどこまで協力するべきかをめぐって繰り広げられている前例のない対立で、こう着状態に陥っている。
Cook氏にとっては、2月に突如として明るみに出たこの騒動が事態を混乱させている。
Cook氏はTIMEに対して次のように語った。「われわれは、この国の自由権を政府から守るという、何とも奇妙な立場にある。本来なら何があっても政府が自由権を守るべきなのだが、ここでは役割が逆だ」
Appleの経営者にとって、少しぞっとするような事態だ。Cook氏は、「私は今も、自分が別の世界にいるように感じる。こういう悪夢の中にいるような感じだ」と述べている。
司法省とAppleは、カリフォルニア州リバーサイドの米連邦裁判所で米国時間3月22日に開かれる審問で、互いの立場を主張することになる。しかしCook氏は、これを議会で解決するのが最適な問題と考えており、この混乱した複雑な問題を検討して理にかなった法律を策定できる委員会の設置を求めている。
Cook氏はTIMEに対し次のように語った。「われわれは今こそ立ち上がり、『立ち止まって対話を進めろ』と言うべきだと考えている。これまでは政府が力を持ち、強大で、発言力が強かったため、対話を制限してしまったり耳を傾けなかったりするケースがあまりにも多かった」
Cook氏は最後に、「私は法に従う」と述べた。ただし、この件で米連邦政府が求めていることを同氏に強制するような法律が実際にできたらの話だ。だが、Cook氏は、議会や裁判所が最終的に政府の調査権限を個人のプライバシーより優先するのではないかと心配しているのだろうか?
そうなれば「米国には良くない。米国にとって最悪だ」とCook氏は述べた。「それに、そうなることを私は予想していない。そうなるとは思わない。世の中には聡明な人が大勢いる」(Cook氏)
記事の全文は、TIMEのウェブサイトで確認できる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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