FacebookやGoogleなどの大手ハイテク企業は、ユーザーのデータが可能な限り(米国政府も含む)好奇の目にさらされることのないように保護する取り組みを強化している。
Facebookはすでに、傘下のインスタントメッセージサービス「WhatsApp」のメッセージを暗号化している。だが同社は、WhatsAppの音声通話やグループメッセージも暗号化しようとしていると、The Guardianが英国時間3月14日に報じた。Facebookはさらに、チャットツール「Messenger」のセキュリティを強化することも目指しているという。
Googleは、「End-To-End」プロジェクトの一部として電子メールに使われている暗号化システムについて、他の製品にも応用できるか調査を進めている。またSnapchatもメッセージングシステムの安全性を高める取り組みを進めていると、The Guardianは報じている。
暗号化はこのところ大きな話題となっている。きっかけは、Appleと米司法省(DOJ)の争いだ。だが、Facebookや他のハイテク企業による新たな暗号化の取り組みは、AppleがDOJと争う前から始まっていたと、The Guardianは伝えている。
米政府は、テロの容疑者やその他の犯罪者のデータや通信を解読するためには暗号化を回避する手段が必要だと今も強く主張している。だが同時に、連邦政府は、暗号化システムを弱体化させたりバックドアを設けたりすることで、外国の敵が米国の製品やネットワークをハッキングできるようになる事態を望んではいない。
The Guardianによると、犯罪捜査においてはメッセージの内容は暗号化したままメタデータを政府に引き渡すことを企業に求めるというアイデアを、ハイテク業界の一部が提案しているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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