Appleはなぜ、米連邦捜査局(FBI)との対立の渦中で大きな争点になっている「iPhone」のロックを解除すべきなのか。カリフォルニア州サンバーナーディーノ郡の地方検事が裁判所に提出した書類によると、このiPhoneは「潜伏中のサイバー病原体」を抱えている可能性があるという。
そう聞くといかにも恐ろしい響きだが、潜伏中のサイバー病原体とは具体的に何だろうか?
コンピュータ科学と情報セキュリティに詳しいiPhoneの科学捜査専門家Jonathan Zdziarski氏も、一般の人々と同じくらい当惑した。Zdziarski氏によると、このフレーズはコンピュータ科学には存在しないという。そこで同氏は答えを探すことにした。
Zdziarski氏は米国時間3月3日、見つけたのは「『ハリー・ポッター』のフィクションと思われるもの」だとブログ投稿で報告した。同氏が調査を進めたところ、「Cyber Pathogen」(サイバー病原体)を名乗り「グリフィンドール組のデミゴッド(半神)」と自己紹介する二次創作ファンのプロフィールに行き当たったという。
郡地方検事のMichael Ramos氏は裁判所への提出書類の中で、潜伏中のサイバー病原体が、サンバーナーディーノ郡のコンピュータネットワークに攻撃を仕掛ける武器になり得ると述べている。
これは、サンバーナーディーノで2015年12月に発生した銃乱射事件で容疑者の1人が使用していた「iPhone 5c」をめぐり、AppleとFBIが繰り広げている対立の最新の展開にすぎない。この事件では14人が死亡し、約20人が負傷した。
AppleがFBIの求めに応じるべきかを判断する法廷での審問は、3月22日にカリフォルニア州リバーサイドの連邦裁判所で予定されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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