Appleが同社モバイルソフトウェアを改変し、米連邦捜査局(FBI)が銃撃事件容疑者のiPhone内部にアクセスできるよう支援すべきかについて、世論は分かれているかもしれないが、複数の大手技術企業やプライバシー団体は、Appleの最高経営責任者(CEO)Tim Cook氏に対する支持を表明している。
米国自由人権協会(ACLU)は、米国時間2月16日の裁判所命令に異議を申し立てているAppleを支持する法廷助言書を提出した。Appleは、iPhoneのセキュリティ機能を回避する特別バージョンの「iOS」ソフトウェアを作成するよう裁判所命令で求められている。この件については、Microsoft、Google、Twitter、Facebookに加えて、電子フロンティア財団などのプライバシー保護団体も法廷助言書を3月3日の締め切り前に提出することを明らかにしている。
ACLUは2日に提出した法廷助言書で「米政府は複数の状況下で民間企業に法執行機関の捜査を支援するよう要請できるが(中略)法執行機関は、罪のない民間企業をおとり捜査官、スパイ、ハッカーとして利用してはならない」と記している。「もし、政府の思い通りになれば、この件は、このデジタル時代のプライバシーを守るうえで非常に重要なセキュリティを低下させ、製品に対する信頼を損ねることを企業に求める、多くの案件の最初の事例となるだろう」(ACLUの法廷助言書)
Appleは、新しい特別バージョンのiOSを作成することについて、先例がなく違憲だと述べている。Cook氏は、公開書簡を含めた声明で、FBIが「バックドア」や「マスターキー」をすべてのiPhoneに対して求めていると主張している。このようなバージョンが一度作られてしまえば、同社のモバイルOSであるiOSを搭載するiPhoneやiPadを使用する多数のユーザーのプライバシーとセキュリティが損なわれることになるだろうと同氏は付け加える。一方のFBIは、カリフォルニア州サンバーナーディーノで12月に発生し14人が犠牲となった銃撃事件の容疑者に関するすべてを明らかにしたいだけだと述べている。
AppleがFBIの求めに応じるべきかを判断する法廷での審問は、3月22日にカリフォルニア州リバーサイドの連邦裁判所で予定されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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