Microsoftは米国時間2月29日から、複合現実(MR:mixed reality)ゴーグル 「HoloLens Development Edition」を招待制で一部の開発者を対象に販売開始する。米国とカナダで3月30日に出荷開始する。
Developer EditionにはHoloLensゴーグルと開発者環境に加えて、Bluetoothクリッカー、携帯用ケース、充電器とケーブル、マイクロファイバークロス、鼻あて、頭に装着するストラップが含まれるとMicrosoftは述べた。
HoloLens開発者環境には、3D環境で3Dを開発するためのプログラム「HoloStudio」、ホログラムでコミュニケーション可能なバージョンの「Skype」、ホログラム旅行アプリ「Microsoft HoloTour」、そして複合現実ゲームのサンプル3種類が含まれている。
HoloLensには、「Windows 10」の派生版が搭載されており、同OSの一部としてホログラフィックコンピューティング用のプログラミングインターフェースが利用可能だ。開発者は29日から、HoloLensのドキュメントやチュートリアルを参照できる。「Visual Studio」プロジェクトやHoloLensエミュレータを含むその他の開発ツールは、3月30日に同製品の出荷が開始された後、開発者らに提供される予定だとMicrosoftは述べた。
HoloLens用の開発を行うには、「Visual Studio 2015」と「Unity 5.4」がインストールされたWindows 10搭載PCが必要だ。
Microsoftは29日、2016年夏から開発者は「われわれが『Actiongram』と呼ぶ、Development Edition用のまったく新しいホログラフィックストーリーテリングメディアを体験」できるようになると述べた。
HoloLensを非公式にテストし、Actiongramを構築しているHoloLens開発者のグループが既に存在する。ユーザーはHoloLensの内蔵カメラで、複合現実データを記録することができる。データはホログラムのHD写真または動画で、HoloLensを持たないユーザーと共有することができる。
さらにMicrosoftは29日、第1世代HoloLens製品の実使用時間が2〜3時間であることを明らかにした。Microsoftの幹部によると、HoloLens Developer Editionのスタンバイ時間は最大2週間で、充電中も完全に機能し、受動冷却式であるためファンはないという。
HoloLensデバイスを企業や一般向けに販売開始する時期について、Microsoftは明らかにしていない。HoloLensの開発者Alex Kipman氏は、デバイスをリリースするまでに時間をかけ、対応アプリやコンテンツが不足していたことなどを理由に勢いを失った「Kinect」センサのような失敗を繰り返さないようにするつもりだと述べていた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」