Googleの最新のオーディオ製品「Chromecast Audio」は、同社がコンテンツストリーミングについて学んだすべてを直径約5cmのシンプルな低価格デバイスに詰め込んだ製品だ。Sonosは家中で音楽を楽しめるワイヤレスストリーミングオーディオ分野のリーダーだが、同製品を無視できない理由がある。
Chromecast Audioは低価格ワイヤレスオーディオアダプタという新しいジャンルの製品で、こうした製品は、350ドルの「Sonos Connect」といった高価なデバイスのニーズを奪いつつある。米国ではその10分の1の価格で購入できるChromecast Audioを既存の機器(「スマートでない」ステレオ、サウンドバー、パワードスピーカー、AVレシーバーなど)に接続すると、「Pandora」や「Spotify」など、多くの人気サービスの音楽を家中で再生できるようになる。
価格以外で優れているところを挙げるなら、すべてをスマートフォンからコントロールできることだ。
ベーシックな「Chromecast」も同じ価格で販売されており、同様にさまざまなオーディオアプリをサポートするので、オーディオ機能に特化したChromecast Audioの最大の競合になるかもしれない。ただし、ビデオ対応Chromecastは、2015年モデルでもHDMI端子を搭載するデバイスが必要になるため、音楽を聴くためにテレビの電源を入れなければならない。Chromecast AudioはChromecastよりもオーディオに特化しており、HDMIを搭載しないさまざまなオーディオシステムと連携することができる。基本的に、古いラジカセやステレオでも「AUX」(音声入力)端子があれば、Chromecast Audioを接続して使用可能だ。
Chromecast Audioは、米CNETがテストした100ドル以下の同様のオーディオ専用デバイスのなかで、セットアップのしやすさという点では間違いなく一番だ。本稿執筆時点で、すべてのアプリがサポートされているわけではないが、これから増えていくだろう。音質はBluetoothデバイスよりはるかに優れている。低価格のシステムと組み合わせても、光デジタル出力端子経由でハイエンドのHi-Fiシステムと組み合わせても、音質は素晴らしい。手短に言えば、Chromecast Audioはオーディオワイヤレスストリーマーの新たな王者だ。
Chromecast Audioは、7インチレコードと小さなアイスホッケー用パックを神の意に反して結婚させたような見た目の製品だ。1つの面には「溝」があるが、もう1つの面は平らになっている。前者はレコード盤を彷彿とさせ、後者は氷上で素晴らしいパフォーマンスを発揮するだろう。本当に小さなデバイスで、直径は2インチ(約5.1cm)、厚さは0.5インチ(約1.3cm)だ。
端子はわずか2つで、それぞれに差し込むケーブルが付属する。1つは、アナログ出力と光デジタル出力を兼ねる3.5mm端子で、長さ5インチ(約12.7cm)の蛍光イエローの3.5mmアナログケーブル(幅は標準的なヘッドホンケーブルと同じ)が用意されている。他の端子は電力供給用のMicro-USB端子だけで、これに対応するケーブルと電源アダプタが付属する。給電能力のあるUSB端子がシステムに搭載されていれば、それに接続して充電することも可能だ。光デジタル出力を使いたい場合は、ミニToslinkアダプタまたはケーブル(別売り)が必要になる。
セットアップには、「iOS」版または「Android」版の「Chromecast」アプリを使う。主な作業は、デバイスに名前を付けることと、Wi-Fiネットワークの認証情報を入力することだ。Chromecast Audioは802.11ac Wi-Fiに対応し、2.4GHz帯と5GHz帯の両方をサポートする。
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