Google「Chrome」の次期バージョンでは、Bluetoothビーコンが設置されたさまざまなモノから通知やURLを送信できる機能が開発者に提供される。
この新機能は「Physical Web」をサポートする。Physical Webは、映画ポスターから駐車メーターまで、さまざまなモノからURLを発信し、それを受信したスマートフォンから関連ウェブページやアプリに接続できるようにすることを目指すプロジェクトだ。
Googleの研究者であるScott Jenson氏は、さまざまなモノをより発見しやすくするため、2015年にPhysical Webを発表した。同プロジェクトは、Googleの「Eddystone-URL」Bluetoothビーコン規格を使って、中央のレジストラを要せずに近くのURLを発見する。
Googleの「iOS」版Chromeでは、2015年に同プロジェクトのサポートが追加されており、現在ベータ段階の「Chrome 49」で、「Android」ユーザーにもサポートが拡大されることになった。
「Physical Web Voyager」(物理ウェブ探検者の意)のAni Mohan氏は、「今回、Physical WebがAndroid版Chromeと密接に統合されたので、1回のデプロイで、複数のモバイルプラットフォームのChromeユーザーにコンテキスト情報を発信することが可能になる」と述べた。
Chrome 49のリリース後、Physical Webビーコンの近くを通ったAndroid端末は、Physical Webを有効にするよう促す通知を受け取るようになる。Googleによると、その後、ユーザーは「自分を待っている非振動通知をタップ」して、近くのURLのリストを確認できるという。
この仕組みを利用すれば、マーケターが不要なメッセージを通行人に発信することも可能になるかもしれないが、Googleも強調しているように、これらのビーコンは便利なナビゲーションツールにもなる。Radius NetworksはCES会場に1500個のビーコンを設置して、来場者への道案内に利用し、そのことを実証した。
MozillaもPhysical Webの接続機能を拡張して、ドローン操縦のような、より複雑なタスクを可能にする試みを行っている。
この新しいプロジェクトを軌道に乗せるため、Googleは大学の研究者に「Google Internet of Things(IoT)Technology Research Award Pilot」への参加を呼びかけてもいる。このパイロットでは、Googleのビーコン、さらに「Google Cloud Platform」や「OnHub」ルータ、「Chromebox」といったほかのモノのインターネット(Internet of Things:IoT)テクノロジをベースとするプロジェクトに対して、同社がさまざまな賞を授与する。提案の受付は米国時間2月29日までで、受賞者への通知は3月末までに行われる予定だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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