人気の高いメッセージングアプリWhatsAppは米国時間1月18日、世界の全ユーザーを対象にサブスクリプション料金を廃止することを明らかにした。WhatsAppはこれまで、最初の1年間は無料だが、初年度終了以降は年間0.99ドルを課金していた。しかし今回、その料金が廃止される。
「規模の拡大に伴い、このアプローチがうまく機能していないことに気付いた」とWhatsAppはブログで説明した。「多くのWhatsAppユーザーがデビットカードやクレジットカード番号を有しておらず、初年度以降友人や家族と連絡できなくなることを心配していた」(WhatsApp)
WhatsAppは、「Viber」や「WeChat」「Line」など複数存在するメッセージングアプリの1つだ。3Gインターネットアクセスがほとんどどこでも使用できるようになる中で、こうしたアプリは広く普及した。WhatsAppは2014年に190億ドルでFacebookに買収されているが、その後も成長を続けている。9億人の月間アクティブユーザーを擁し、現時点でその数は群を抜いている。
WhatsAppの次なる課題は、競合アプリに後れを取らないことだ。各種競合アプリは、特にバンキングや送金といったサードパーティーサービスをアプリ内に統合し始めている。これは、最終的にWhatsAppの新しい収益源の開拓につながる可能性があるが、こうしたサードパーティー事業との提携は、メッセージングアプリにとって未知の領域だ。
WhatsAppは、サブスクリプション料金を廃止するが、サードパーティー広告を表示する意図はないと明言した。広告表示は、無料アプリが収益を上げるための一般的な手段だ。その代わりに、ユーザーが情報を必要とする企業や組織とコミュニケーションするための新しい手段を導入する予定だと述べている。例えば、最近の取引について銀行に連絡したり、フライトの遅延について航空会社に問い合わせたりできるようになるという。
これは、Facebookが「Messenger」アプリで採用しているアプローチと同様だ。Facebook Messengerは2015年12月、アプリから直接Uberの配車を予約するサービスを開始している。
WhatsAppはこのためのツールのテストを2016年中に行うとしているが、WhatsAppの創設者で最高経営責任者(CEO)を務めるJan Koum氏は、ミュンヘンで開催されているDLDの講演で、「まだ1行もコードを記述していない」と述べたとRe/codeは報じている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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