米国時間2月19日にFacebookが発表した、160億ドルでのWhatsApp買収に対して、なぜFacebookがこの人気のメッセージングアプリをそれほど高く評価するのか、と不思議に思っている人は多いかもしれない。
しかし、目を見張るような価格さえ無視すれば、FacebookはWhatsAppをめぐって、かなり良い取引をしたのかもしれない。「マネーボール」で重要な前提とされているように、一番大事なのは数字だからだ。
そう考えると、WhatsAppには優れた数字にあふれている。WhatsAppは、カリフォルニア州サンタクララを本拠地とする新興企業が開発した2009年登場のクロスプラットフォーム型アプリで、大規模かつ熱心なユーザー基盤を短期間で獲得しており、スタートからわずか2年で、1日当たり10億件以上のメッセージを扱っている。
広告なしのプラットフォームであるWhatsAppのユーザー数は、月間アクティブユーザー数(MAU)が全世界で4億5000万人超、デイリーアクティブユーザー数(DAU)が3億2000万人超であり、これは、2012年12月に発表されていた1億人というDAU数の3倍以上にあたる。このMAUのうちの2億人以上は、過去8カ月に増えたユーザーだ。
急激な成長を別としても、WhatsAppのMAU数は、FacebookのライバルであるTwitterが発表しているMAU数の2倍近くに達している。TwitterのMAUは、2012年12月の2億人から、2月になってから決算発表で明らかにされた2億4100万人までなんとか増加してきた。1年強の期間で、20%強の成長だ。
Facebookはまた、WhatsAppのエンゲージメント率(MAUに対するDAUの割合)は約70%で、これはFacebookが2013年10月に発表した61%よりも上回っているとしている。
Facebookの最高経営責任者(CEO)のMark Zuckerberg氏は、19日に行われたアナリストやメディアとの電話会議で、「WhatsAppは広く利用されているアプリの中で唯一、Facebook以上にユーザーが熱心で、毎日利用するユーザーの割合が多いアプリだ」と述べた。
つまりFacebookは、現在の時価総額が約200億ドルのTwitterよりも大規模かつ短期間で成長しているユーザー基盤を持つ企業に160億ドル支払ったことになる。Facebookは格安の買収によって、自らの基盤を守ろうとしているようだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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