2012年12月8日にWii Uが発売されてから、早くも3年が経過しました。先代のWiiや携帯プラットフォームのDS、3DSと比べると、どうしても勢いが足りない感は否めません。
発売から3年間の本体の累計販売台数は271万5000台、ソフトの累計販売本数1014万9000本となっています。前世代のWiiの同期間に比べると、3年間の本体の累計販売台数は880万5000台ですから、やはり大きな差がついてしまっているのは事実です。
しかし、この1年のWii Uプラットフォームの市場を見てみると「Splatoon(スプラトゥーン)」と「スーパーマリオメーカー」という2本の大ヒットが生まれ、今までとは違う勢いと大きな存在感を示し始めています。
まず、スプラトゥーンは、2014年のE3で発表されて以来、オリジナリティあふれる内容や、子どもも遊べるシューターとして大きな期待を集めてきました。恒例のファミリー路線だけではなく、深夜帯のテレビCM、実況動画を含めたネット媒体やネットコミュニティ、ゲーム雑誌、さらにamiiboや各種コラボレーションなどの露出も含めて、さまざまな認知経路をフル活用したプロモーションが功を奏したと言えるでしょう。
具体的には、Splatoonの完成披露試写会の生放送の来場者数では9万2036人と当初からネットを中心とした盛り上がりを見せ、Splatoonの公式Twitterでもフォロワー数が34万3444件(2015年12月14日現在)となっています。
さらに、ゲーム内コラボ企画としては、マルちゃん「赤いきつね vs 緑のたぬき」、キリン「キリン 午後の紅茶 レモンティー vs ミルクティー」、くら寿司の協力「どっちが好き?イカ vs タコ」など幅広い展開を見せています。現在、累計販売本数は84万6000本。DL(ダウンロード)版を含めると、ミリオン達成は時間の問題と言ってもよく、「Wiiスポーツ」や「Wii Fit」のように、ジャンル自体を再発明する存在となったといえるでしょう。
一方、スーパーマリオメーカーは、ついにマリオがUGC(User-Generated Contents/利用者によって作り上げられていくコンテンツ)の世界に名乗りを挙げたということで、大きな話題となりました。こちらもSplatoon同様に、実況動画をはじめネットコミュニティで大きな支持があったことが大きな特徴といえます。
UGCと言えば、世界的に大ヒットした「マインクラフト」が有名ですが、作りあげた世界自体を動画共有サイトで公開するなど、UGCとネット上のコミュニティ形成はとても相性がよいことが証明されています。具体的には、発売からわずか1週間で、ゲームから投稿されたコースは100万コースを突破しました。
そのような多彩なコースは、動画共有コミュニティ上でも、プロではないユーザー自身が作りあげた、つっこみ所満載のコースをネタに、ユーザーが盛り上がるという流れを作りあげ、現在、累計販売本数52万本。まだまだ勢いは衰えを見せていません。
ネットコミュニティでの盛り上がりを味方に付けたWii U。次期プラットフォームであるNXにどうバトンを渡していくことになるのか、要必見です。
この記事はビデオリサーチインタラクティブのコラムからの転載です。
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