UPDATE Microsoftは、同社のJavaScriptエンジン「Chakra」の中核部分を、MITオープンソースライセンスの下で2016年1月にGitHubで公開する計画だ。
同社は米国時間12月5日、「JSConf」イベントでこれを発表した。
Chakraは、Microsoftが「Internet Explorer 9」(IE9)用に構築したJavaScriptエンジンの開発コード名で、その後のIEや「Edge」ブラウザのリリースで使用されている。筆者はこれまで知らなかったが、Chakraエンジンは「Cortana」「Outlook.com」「Azure DocumentDB」「TypeScript」でも使用されている。Microsoftは「Windows 10」において、Node.jsをChakraとともに実行できるようにすることで、Node.jsを「Windows 10 IoT Core」上で動作可能にした。
筆者はMicrosoftに対し、どのようなユーザーがどのような種類のアプリケーションやサービスに対してChakraを使用することを想定しているのか尋ねた。広報担当者は、「そのような議論についてはまだきわめて初期の段階にあるため、コミュニティーの他のメンバーがどのような目的にChakraを使用できるかについてはまだ全体像を把握していない。対象用途は、特定のチップセット上でのMicrosoft Edgeのパフォーマンスを確保するためのハードウェア固有の最適化や、クラウドベースのソリューション、モバイルゲーム、小型端末など、JavaScriptエンジンの用途の全範囲にわたる可能性がある」と述べた。
同社の計画を発表するMicrosoftのブログ記事には、「一般ユーザーに加えて、複数の組織が既にChakraCoreへの貢献に関心を表明している。Intel、AMD、NodeSourceをはじめとする多数の企業と協力して、このコミュニティーを発展させていくことを楽しみにしている」とも記されている。
Microsoftは、同社がオープンソース化するChakraの部分を「ChakraCore」と呼んでいる。これには、JIT、ガーベジコレクタ、パーサ、インタープリタ、およびさまざまなアプリケーションプログラミングインターフェースが含まれる。COM診断APIや、ブラウザおよび「Universal Windows Platform」へのプライベートバインディングなど、Chakraの他の部分はオープンソース化されない予定だ。
Microsoftは、1月に開始するChakraCoreプロジェクトにコミュニティーが参加する方法について、初期の優先事項や指針をさらに詳しく共有する計画だ。最初に公開されるChakraCoreは「Windows」のみが対象になるが、MicrosoftはこれをWindows以外にも拡大していくという。
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