UPDATE 筆者は今、サンフランシスコのソーマ近郊で、ベイブリッジが一面に見渡せるバルコニーに立っている。しかし、首をのばさなければ全体を見渡すことはできない。
この素晴らしい眺めを、当地にある検索大手Googleのオフィスに勤務する従業員らはいつも目にしている。Googleは現在、このような瞬間をすべての人々が体験できるようにしたいと考え、ただ写真を撮るだけでは十分ではないと判断した。
Googleは米国時間12月3日、新しい仮想現実(VR)カメラアプリ「Cardboard Camera」を同社のモバイルOS「Android」を搭載するスマートフォン向けにリリースした。同アプリにより、「Cardboard」で表示可能な3Dパノラマ写真を撮影することができる。Cardboardは、ボール紙(cardboard)でできた簡素な仮想現実ヘッドセットだ。
スマートフォンをこの箱型のヘッドセットに取り付け、それを目に当てると、風景全体が目の前に広がり、あたかもそこにいるかのように見渡したり振り返ったりすることができる(ただし、上や下を見ることはできない。Googleによると、さらなる「没入感」を加える取り組みについてはまだ開発中とのことだ)。
「その瞬間を理解するための非常に強力な手段だ」と、カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とするGoogleの製品マネージャーを務めるMike Podwal氏は述べた。
仮想現実は、シリコンバレーにおける次なるフロンティアとなっている。かつて、VRを夢見るのはほとんどビデオゲームメーカーだけだったが、Facebookからサムスンといった技術大手が、仮想美術館ツアーから遠隔医療の受診を含む日常体験としてVRの再考を試みている。
それは、Facebookが2014年にVRゴーグルを開発するOculusを20億ドルで買収した理由の1つでもある。Oculusがサムスンと提携して「Gear VR」を開発したのもそのためだ。99ドルのヘッドセットであるGear VRは、サムスン製スマートフォンを画面として利用する。Cardboardは、それよりもずっと安く、25ドル程度だ。Googleは同ヘッドセットを独自には販売せず、他のベンダーに計画を提供している。
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