Alphabet傘下のGoogleが所有するYouTubeは米国時間11月5日、同社「Android」アプリおけるVR(仮想現実)関連のアップデートを明らかにした。まず、VR動画のサポートにより、GoogleのVRヘッドセット「Cardboard」を併用することで、360度動画を3Dで視聴できるようになった。また、YouTubeの大規模ライブラリ内のすべての動画がCardboardで視聴可能になった。
YouTubeにある動画をCardboardで視聴するには、Android搭載スマートフォン上のYouTubeアプリを起動し、動画を再生してCardboardアイコンをタップするだけだ。もともとVRゴーグルでの視聴用に作成されていない動画は、IMAXシアターで視聴しているかのように再フォーマットされる。同機能はAppleの「iPhone」用YouTubeアプリにも提供される予定だが、YouTubeはその時期を明らかにしなかった。
この取り組みが持つ意味は大きい。同社の動画ライブラリ全体をCardboardに対応させることにより、YouTubeは世界最大規模のVR対応動画コレクションを構築している。現時点では大した意味を持たないかもしれないが、YouTubeを利用する膨大なユーザーにVRの概念に慣れ親しんでもらえる可能性がある。Facebookやサムスンといった世界最大規模のハイテク企業らがVRを主流に押し上げようとしていることを考えれば特に、その重要性は高い。
かつては、VRを夢見るのはほとんどビデオゲームメーカーだけだったが、現在ではシリコンバレー企業が同技術に対するビジョンを拡大している。同技術によって実現される約束の1つに、誰もがより簡単に世界の秘境を体感できるようになるというものがある。それは、Facebookが2014年にVRゴーグルを開発するOculusを20億ドルで買収した理由の1つでもある。Oculusがサムスンと提携して「Gear VR」を開発したのもそのためだ。99ドルのヘッドセットであるGear VRは、サムスン製スマートフォンを画面として利用する。
GoogleのCardboardは、それよりもずっと安い。同社は同ヘッドセットを独自には販売せず、他のメーカーに計画を提供している。同ヘッドセットは25ドル程度と、競合するGear VRよりもかなり低い価格で入手することができる。
360度動画を3Dで作成することも、その目的はより実世界に近い映像を提供することにある。YouTubeではそのような3D効果を生成するため、ユーザーのそれぞれの目に対して異なるストリームを見せる。それは同一の画像だが、少しずれた角度からそれぞれの目に届けられる。両画像を同時に目にすることによって、深さが擬似的に再現される。その結果、映像の中に入り込んだような感覚が得られるようになる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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