GoogleのNexus 5Xは、オートバイのようなスマートフォンだ。公道を自由に走り、さえぎるものは何もない。選べる携帯キャリアに制限はなく、不要なソフトウェアもインストールされておらず、巨大で重い筐体とも無縁だ。簡単にポケットに入れておけるスマートフォンであり、片手で操作できる。いいバイクと同じく、高馬力のわりに手ごろな価格のスマートフォンでもある。
だが、ほとんどの人がバイクではなく自動車を選ぶのには、もっともな理由がある。フロントガラスがあると、やはり快適だろう。車にはステレオスピーカーシステムもある。ガソリンタンクは大きく、シートはぜいたくで快適だ。Nexus 5Xには、こうした利点のスマートフォン版がない。
前モデル「Nexus 5」のシルクのように柔らかい手触りのラバー仕上げがなくなったのは残念だ。クリック感のあるボタンとワイヤレス充電機能もなくなってしまったし、ヘッドホンを挿さずに映画を鑑賞することもできなくなった。そう、スピーカーの音質はそれくらい悪いということだ。また、高価なGalaxy S6と違って、頑丈な金属筐体も、ワイヤレス充電機能も、豪華なスクリーンも、光学式手ぶれ補正機能もない。筆者としては、Nexus 5Xは明らかに後退していると感じる。
それでも、Nexus 5Xにはスマートフォンとして実際に必要な機能がすべて揃っており、同じ価格帯で見つかる明らかに大きく重い一部の製品と比べると、それほどかさばらない。
もっと作りが凝っていてカスタマイズ性も高く、スクリーンやステレオスピーカーがはるかに充実していて、映画鑑賞に適した機種を探しているなら、400ドルのMoto X Pure Edition(一部の国では「Moto X Style」という名称)を選ぶといいだろう。Nexus 5Xと同様、この5.7インチの大型端末も、世界中ほとんどの主要携帯キャリアに対応している。
「OnePlus 2」も頑丈な金属フレームを採用した5.5インチの製品で、バッテリ持続時間がNexus 5Xより長く、330ドルからと価格も抑えられている。ただし、同社は招待制という販売システムをとっているため、購入のハードルは高い。
もちろん、Google自身のNexus 6Pという選択肢もある。候補のなかで最もサイズが大きい製品だ。500ドルからだが、この価格で32Gバイトのストレージを搭載している(Nexus 5Xの32Gバイトモデルは429ドル)。
当初は、11月に出荷される「HTC One A9」を待つ価値もありそうだと考えていた。バッテリはNexus 5Xよりさらに小さいものの、5インチのAMOLEDスクリーンが、小さめの全金属製ユニボディフレームに包まれている。HTCによると、新しいAndroidアップデートの提供は、最新のNexusスマートフォンへの提供から15日以内となり、Android 6.0 Marshmallow搭載の状態で出荷されるという。だが、期間限定で399ドルだったとはいえ、パフォーマンスがかなり見劣りし、バッテリ持続時間も短いOne A9をお薦めするのは難しい。まして、米国時間11月7日を過ぎて499ドルになった今では、なおさらだ。
とはいえ、機会があれば友人にNexus 5Xを借りてみてから決めることを強くお薦めする。世の中にはバイク好きな人もいるだろう。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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