ただし、2つ注意点がある。まず、Nexus 5Xは起動時間がやや長く、50秒もかかる。次に、RAMが2Gバイトしかない。筆者がスマートフォンで行うどんな操作にも、2Gバイトあれば十分と思われるが、最近のスマートフォンにはもっと多くのメモリが搭載されるようになってきている。2014年の「Nexus 6」と新モデル「Nexus 6P」は3Gバイト、新しい「Galaxy Note 5」にいたってはデフォルトで4Gバイトだ。買ってからしばらく使い続けるつもりであれば、この点を考慮する必要があるだろう。
Nexus 5Xを試用した5日間、バッテリ残量をこまめに確認して、はっきりとわかったことがある。スマートフォンをかたときも休まずに使い続け、しかも日中は充電しないという人は、Nexus 5Xのバッテリ持続時間が気がかりな点になるはずだ。スマートフォンのバッテリはやはり、床につくまで持ってほしいところだが、酷使した日には残量がぎりぎりまで減った。Bluetooth経由でスマートウォッチを接続して、消費量が少し増えた日には、夕食前に残量ゼロになりそうだった。
動画を繰り返し再生する米CNETの標準的なテストで、バッテリ容量2700mAhのNexus 5Xをノンストップで使用したところ、8時間55分しか持たなかった。あまりいいスコアとは言えない。「Moto X Pure Edition」と同じような結果だったが、より高価なGalaxy S6の12.4時間には遠く及ばなかった。バッテリ容量はGalaxy S6の方が小さく、2550mAhなので、Nexus 5Xの方が長持ちすると考えたくなるだろう。
とはいえ、スマートフォンを使わない時間が長い人であれば、まったく問題にならないかもしれない。Nexus 5Xは、待機中のバッテリの減りがかなり遅いからだ。「Android 6.0 Marshmallow」には「Doze」という新機能があり、本体が静止中であることを検出するとアプリがディープスリープモードになる。おそらくこの機能のおかげで、3時間たってもバッテリが10%しか減らなかった。しかも、このときはBluetoothスマートウォッチを接続したままだった。
Nexus 5Xと大型モデルのNexus 6Pはワイヤレス充電に対応していないが、うれしいことにUSB Type-Cポートが新たに搭載された。ただ、これには一長一短あると言えるだろう。長所としては、付属の15W充電器を使って高速でフル充電できることだ。通常、Nexus 5Xのバッテリはわずか15分の充電で30%まで回復する。
注意が必要なのは、USB-Cケーブルと適切な高速充電器を使用しなければならないこと、そしてNexus 5Xには従来のUSB充電器やMicro-USBケーブルをUSB-Cに変換する簡単なアダプタすら付属していないことだ。従来の充電アクセサリは使えないだろう(Googleはこういったアダプタとケーブルを別売りにしており、価格はそれぞれ13ドルだ。OnePlusのもっと安い製品を試してみるのもいいかもしれない)。
USB-Cポートにはさらに少し残念な点があり、USB-Cの同義語であるはずの高速データ転送や動画出力といった新しい機能に、本体の方が対応していない。裏表どちらでも挿せる新しいコネクタが使われていて、暗がりで挿し直さずに済む点は確かに便利だが、転送速度はUSB3.1ではなく旧式のUSB 2.0のままだ。大容量の動画ファイルをNexus 5Xに転送したとき、かなり時間がかかった。
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