IoTのビジネス活用に向けた展望と課題--ソフトバンク、KDDI、ドコモが語る

 幕張メッセで10月28~30日まで開催されたIT関連の総合見本市イベント「Japan IT Week 秋」。10月29日には、その中で実施されている「第1回IoT/M2M展」の特別公演が実施され、大手3キャリアがIoTビジネスに向けた現状と課題、今後の取り組みについて説明した。

 最初に登壇したのは、ソフトバンクの法人事業開発本部 事業戦略企画室の室長である荒木健吉氏。IoT(Internet of Things、モノのインターネット)は仕組みとして見ればM2M(Machine to Machine、機械間通信)と共通する部分が多いことから、その違いが曖昧となっているが、荒木氏は「M2Mが文字通りモノとモノとの通信をするものであるのに対し、IoTはモノだけでなく人、そして“事”が合わさることで付加価値を上げていくものではないかと考えている」と、両者の違いについて説明した。


ソフトバンクの荒木健吉氏

M2MとIoTの違いは、機械同士の通信か、人とモノ、事が合わさって付加価値を作り上げるかの違いにあるとしている

 また荒木氏は、IoTによって今後、ビジネスモデルが大きく変化していくとも話している。その1つが製品のサービス化で、今後は単に製品を販売するだけでなく、IoTによって製品にサービスを結び付けることにより、継続的なサービスを提供する課金型のモデルへと変化していくと話している。

 そしてもう1つは需要と供給のマッチングで、「空車と行先をマッチングさせる『Uber』のようなことが、製造業や運輸業、さらにはサービス・流通業などさまざまな所で起きる」と、荒木氏は見ていると語った。


IoTの広まりによって、単に製品を販売するビジネスから、継続的にサービスを提供する課金型のビジネスに変化するとのこと

 そうしたことから荒木氏は、IoTの市場において多くの売り上げを示すようになるのは、デバイスやネットワークではなく、サービスになると説明。いかに効率性や経済性を高めつつ、サービスを工夫して大きなマーケットに育てられるかが、重要なポイントになっていくと話している。

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