(編集部注:米CNETによる「Nexus 6P」のレビューを4回に分けて翻訳して公開します。第1回は10月28日に、第2回は10月30日に、最終回は11月5日に公開されています)
第2回より続く。
筆者は「Nexus 6P」のセキュリティを確保するメインの手段として、指紋リーダーのNexus Imprintを使用した。最大で5つの指紋を登録することが可能だ。スキャナに指が届くように手を動かさなければならないこともあったが、ロックを解除する精度は申し分なかった。
筆者の考えでは、今のところの最大の利点は、すばやいスキャンで本体のロックを解除できることだ。今後、「iPhone」のように、指先で「Android Pay」経由の支払いやアプリのダウンロードを認証できる機能も提供されるだろう。ただし、現時点では、筆者が最もよく利用する2つのアプリ(Amazonと筆者の取引銀行)はNexus Imprintをサポートしていない。
GoogleとHuawei(ファーウェイ)は、別のHuawei製スマートフォン「HUAWEI Mate S」と同様、指紋スキャナをNexus 6Pの背面に搭載した。筆者は背面に配置されたスキャナにまだ慣れていない。そして、Nexus 6Pがデスクやテーブルの上に置かれているときに、指紋でロックを解除するために本体全体を持ち上げなければならないのは面倒に感じられる。指紋リーダーが機能しない場合に備えて予備のPINも追加しなければならないため、電源/ロックボタンを押すと、スクリーンをスワイプしてからPINを入力するよう促されるが、これは時間がかかる。ソニーの2015年の「Xperia」スマートフォンのようにスキャナを電源/ロックボタン内に搭載したり、iPhoneやサムスンの「Galaxy」のようにホームボタンスキャナを採用したりした方が、全体的な利便性が高まるかもしれない。
セキュリティ面では、Nexus Imprintはスマートフォンにアクセスする多くの方法の1つに過ぎない。実際に、推測されにくいPINの方がセキュリティ対策として優れている場合がある、とGoogleは警告している。万全を期して、スマートフォンが再起動するたびにPINを入力する方法を選択することもできる。PINやパスワード、指紋リーダー以外のセキュリティオプションには、顔認識や音声認識が含まれる。
ソニー製センサを搭載するNexus 6Pの12.3メガピクセルカメラは、本格的な屋内撮影に向けた最適化がなされ、かつ、強化された暗所撮影技術を備えるとの触れ込みだ。もちろん、屋外で撮影した写真の画質も良い。暗所や夜間に撮影した写真は、サムスンの「Galaxy S6」などのスマートフォンに比べると依然ノイズが目立つが、「Nexus 6」よりは改善されており、閲覧したり、共有したりするには十分である。「Nexus 5X」とNexus 6Pの背面カメラはスペックの細かい部分まで同じだが、暗所で撮影したフル解像度の画像を並べて比較すると、Nexus 6Pで撮影した画像の方が少し綺麗に見えた。屋内で撮影した写真の色温度も微妙に違った。どの点から見ても、Nexus 5XとNexus 6Pの画質の違いはごくわずかである(ただし、Nexus 6より向上している)。
Googleによると、Nexus 6Pのカメラセンサのサイズは「iPhone 6s Plus」を上回るという(Nexus 6Pは1.55ミクロンピクセルサイズ、大きなiPhone 6s Plusは1.22ミクロンピクセル)。ピクセルが大きければ大きいほど、多くの光を集めることができる。写真撮影の世界では、一般に光は多い方がいい。屋外で撮影した写真の画質は間違いなく素晴らしく、細部や色が忠実に再現されている。写真は少し黄色味を帯びており、暖色寄りのときもあれば、寒色寄りのときもあった。Huaweiはこの問題を修正すべきだが、概して筆者は青色がかった写真よりは黄色がかった写真の方がいいと思う。
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