グーグル「Nexus 6P」レビュー(第1回)--主な特徴と競合機種との比較

Jessica Dolcourt (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年10月28日 07時30分

(編集部注:米CNETによる「Nexus 6P」のレビューを4回に分けて翻訳して公開します。第2回は10月30日に、第3回は11月2日に、最終回は11月5日に公開されています)

 筆者の考えでは、「Nexus」ブランドのスマートフォンには2つの役割があり、Googleの「Nexus 6P」はその両方を非常にうまくこなしている。1つめの役割は最新の「Android」ソフトウェアを紹介することで、この点は合格だ(比較的小型で安価なLG製モデル「Nexus 5X」も同様)。第2に、おなじみのブランド名の競合製品よりも低い希望小売価格で、非常に高機能なハードウェアを採用していなければならない。こちらも合格だ(次ページの価格表を参照)。

 重い5.7インチモデルのNexus 6Pは、さらにその先まで進んでいる。メタルフレームを採用し(Nexusでは初)、鮮明な高解像度ディスプレイ、高精度の指紋センサ、12メガピクセルの高機能カメラ、強力なステレオスピーカーを搭載する。また、Nexus 6Pの製造元である中国企業Huawei(ファーウェイ)は、Google Nexusシリーズのファンにとって初お目見えとなる(だが、ファーウェイにとっては大躍進だとしても、優秀な端末を見つけることに重点を置く購入層にとっては一時的な関心事にすぎないと言わざるを得ない)。

 2015年のNexusスマートフォンは、うれしいことに米国の大半の主要キャリアに対応しており、Google独自のワイヤレス通信サービス「Project Fi」もサポートする。そのため、SIMカードや端末を変えなくても各キャリアのプランを切り替えることができる。ただ、実際にはそのためにProject Fiが必要なわけではなく、Googleの専用SIMカードがなくてもユーザー側でシームレスなキャリア移行が可能だ。

 まとめると、次のようになる。今回のNexus 6Pは、Googleブランドを冠したNexusスマートフォンのなかでも特に意欲的な最先端モデルであり、大小を問わず競合のハイエンド端末(「iPhone 6s」と「iPhone 6s Plus」、サムスンの「Galaxy Note 5」と「Galaxy S6 edge+」、ソニーの「Xperia Z5」と「Xperia Z5 Premium」など)に肩を並べ、競り勝つという目標に、過去のNexusシリーズよりさらに近づくことになった。それを実現しているのが、内部コンポーネントの性能と、比較的低く抑えられた価格だ。

 どのスマートフォンもそうだが、欠点がないわけではない。依然として大きく、重いデバイスである。筆者はデザインにうるさいほうではなく、十分に良いデザインだと思うが、やや凡庸だ。指紋センサは、位置のせいで使いにくいときがある。搭載カメラは、競合製品の多くと比べてオプションもコントロールも多くない。また、「Nexus 6」や他のNexusシリーズと違って、今回はワイヤレス充電機能が搭載されなかった。新しい「Type-C」の充電器を家に置いてきたときには、ワイヤレス充電が非常に便利な代替手段になっただろう。Galaxy Note 5のようなスタイラスも付属せず、Galaxy S6 edge+の曲面デザインやXperiaの防水性も採用されていない。そういった追加機能が、自分にとってどれくらい重要かを見極める必要があるだろう。

 「Android 6.0 Marshmallow」ソフトウェアの長所を見てみたいという目的でNexus 6Pを買おうとしている人には、少し注意してほしいことがある。この新OSには、それなりに便利で目を引くツールが導入されており、たとえば「Now on Tap」機能によるコンテキスト検索や、バックグラウンドで密かに機能するバッテリ持続時間の向上などがあるものの、Nexus 6Pの正味の価値は、Android 6.0の新しさというより、その価格に見合った性能だ。

 Android 6.0で導入された各種の機能は、良い具合だが驚くようなものではなく、これまでのNexusが誇りとしていた機能ほど成功していないかもしれない(「Android 5.0 Lollipop」はまさに全面改修だった)が、Nexus 6Pに搭載されたMarshmallowにはやはり一定の長所がある。たとえば、プリロードされるアプリ(いわゆる「ブロートウェア」)が少ないことや、Googleが今後リリースするソフトウェア更新を最初に利用できるといったことだ。「純粋」なNexusスマートフォンは、ベンダーがカスタマイズしたAndroidを搭載することもないが、これはユーザーによって長所とも短所とも、どちらでもないとも評価が分かれるところだろう。カスタムレイヤが追加されるとストレージ容量が圧迫され、アップグレードも遅れる反面、便利な機能やしゃれたデザインのレイアウトが加わることにもなる。

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