カドカワは10月14日、新たな教育事業として7月に明かした、インターネットで双方向の授業を受けられる単位制、通信制の高等学校の詳細を発表。同日、生徒の募集を開始した。学校法人角川ドワンゴ学園として「N高等学校」を沖縄県うるま市与那城伊計に設置する。高校の学科は「普通科」で、生徒は全日制高校と同じ卒業資格を得られる。現在は設置認可の申請中で、2016年4月に開校する予定だという。
学校理事長にはカドカワ代表取締役会長の佐藤辰男氏、N高等学校校長にはドワンゴ教育事業本部の奥平博一氏が就任。校名の“N”は正式名称であり、NetやNew、Next、Necessary、Neutralなどさまざまの意味を込めた。カドカワ代表取締役社長の川上量生氏は「多様性をもたせるために、1つの意味を定めていない。ご想像にお任せする」と話す。
生徒は必履修科目を学びながら、各業界のプロである講師陣によるプログラミング、文芸、ゲーム、アニメ、ファッション、美容などの“課外授業”を、各自の希望にあわせて受講できる。授業には、前回の会見で開発中だと明かした「ニコニコ生放送を発展させたシステム」を用いる。また、生徒間でのコミュニケーションツールとして、Slackや、創作物やレポートを共有できるようGitHubのアカウントを発行する。
大学進学を目指す生徒向けのオリジナルカリキュラムも用意。KADOKAWA 中経出版の協力による同校独自の教材を使い、“ビリギャル”の著者で坪田塾塾長の坪田信貴氏がサポーターを務める講師陣が指導にあたるという。川上氏は「(卒業生が現れる)初年度に東大生を出したい」と自信を見せる。
インターネット授業だけでなく、リアルの行事も充実させる。各地方自治体と連携し、農業や漁業、伝統工芸などの職業体験の機会を設ける。また、ドワンゴが運営する「niconico」の大規模リアルイベント「ニコニコ超会議」「闘会議」に生徒として参加できるようにするという。
制服も用意した。入学生のみ購入可能で、購入は任意。同学園理事の志倉千代丸氏がデザインしたそうだ。
沖縄本校は、毎年1回5日間ほどのスクーリング(面接指導)などで使用する。本校だけでなく、東京または大阪の会場でも対応するという。
初年度の定員は1万人で、「意欲のある方は全員受け入れたい」(川上氏)という。学費は、3年間在籍の想定(国の就学支援金の基本額が還付された場合の実質費用のモデルパターン)で約29万円。奥平氏は「授業料は1単位あたり約5000円。アルバイトをしながらでも十分通える」とアピールした。
一方で川上氏は「授業料の安さは、(沖縄本校での)スクリーニングで(交通費や宿泊費が生徒の実費負担であるため)帳消しになる」と笑い、「それでも、楽しい体験を用意するので、沖縄にきてもらいたい」と語った。
今後、11月に学校説明会を東京と大阪で開催。また同月から毎月、同校の魅力を伝えるネットオープンキャンパス(ニコニコ生放送の番組)を放映する予定だ。
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