こんにちは、林です。10月5日に公開した「電子書籍のスキャンダル--経産省「緊デジゲート」がはじけたようです」が、思いのほか好評なようです。
興味深い記事。今年始めに「問題になりそうだ」って噂されていた内容と着眼点や落としどころが違うような気がするんだよな… 調べてみるかな。 : 電子書籍のスキャンダル--経産省「緊デジゲート」がはじけたようです http://t.co/76sU7Hy6Gi
— やまもといちろう (@kirik) 2015, 10月 5
ほんとひどすぎる!!!。税金の無駄遣い!! >電子書籍のスキャンダル--経産省「緊デジゲート」がはじけたようです http://t.co/jcccshKf19 @cnet_japanさんから
— 田端 信太郎 (@tabbata) 2015, 10月 5
ネットの著名人に言及していただき、光栄な限りですが、他方、「いままでの報道の紹介ばかりで、何が問題なのかちゃんと指摘してないじゃないか」という批判もいただきました。
一方、「緊デジ」事業を実施したJPO(日本出版インフラセンター)は、10月5日に記者会見を開き、制作した電子書籍について、配信状況を調査し、10月中に結果を公表すると発表しました。
“JPOの永井祥一専務理事は「書籍の配信は緊急電子化事業の必要条件に含まれていないが、検査院の指摘を真摯(しんし)に受け止めて配信の実態をつかむため、出版社にヒアリング調査している。同時に、事業の成果と課題についても調べたい」と述べた。”
いままでできなかった調査が、一カ月弱で本当にできるのか、というか、なぜ今までしなかったのかがまず疑問ですが、今回は、読者の要望に応えて、復興予算を投じたこのプロジェクトの「何がどう問題なのか」について、前回より深く掘り下げてみます。
2012~2013年に実施された事業が、なぜいまだに尾を引いているのか。そもそも、この事業が、非常に「わかりにくい」ことも、一因としてあると思います。
国の補助金と民間の資金を組み合わせた官民合同事業であること。事業目的が、震災復興と電子書籍振興など、これまた複数の要素の組み合わせであること。さらに、紙の書籍を電子書籍にする、という点で、紙の出版と電子の出版という2つのテクノロジ、2つの業界をまたいでいること。前回指摘したように、事業主体のJPOだけでなく、そこにデジタル機構、実務を担うパブリッシングリンクという会社までからむ上、そもそも電子書籍自体がわかりにくい。事業をやる方もそうですが、外から検証や批判をする方も、頭がこんがらがるのも仕方ありません。
そこで今回は、これまで出されてきた疑問を、11のポイントにわかりやすく整理しなおしてみます。事態の正確な理解がないと、問題の根本的な解決はいつまでも望み薄だと考えるからです。
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