グーグルは10月7日、Android 6.0 Marshmallowを搭載したLG製の「Nexus 5X」とHuawei製の「Nexus 6P」の発表を受けて国内でも製品説明会を開催した。
日本ではSIMフリー端末のNexus 5XがGoogleストアで5万9300円から、Nexus 6Pは7万4800円から発売される。いずれも出荷は10月下旬だ。Nexus 5Xは、NTTドコモとY!mobileも販売することが決定している。
Android 責任者でGoogle エンジニアリング担当副社長のヒロシ ロックハイマー氏は、毎回スイーツの名称を冠する「Android M」のコードネームについて、「本当はMochi(餅)と呼びたかったが、僅差でMarshmallowに決まった」と明かした。
ロックハイマー氏は日本生まれの日本育ちで、かつては秋葉原によく通っていたという。「パンフレットを見てはワクワクしていた。昔はダイヤル式の電話だったがプッシュ回線に変わった。NHKのハイビジョンのデモを見たとき、すばらしい画像で感動した。そういったさまざまなイノベーションが日本から生まれている。FeliCaやiモード。アプリケーション群、絵文字も日本から生まれた。日本はグーグルがつくった初めての海外拠点で大事な歴史のひとつ。グーグル検索やGoogleマップなどの開発で、日本のエンジニアが作ったものが世界中に普及している」と語った。
またGoogle Playストアについて「開発者はどのぐらい売上げがあがるのか。収益ベースでみると日本はトップ3に入る。過去2年間で開発者は3倍になった。モンスト、パズドラ、白猫プロジェクト。すべて日本で開発され世界中で愛されている。LINEも世界中で愛されている日本発のもの」と説明した。
Nexus 5XとNexus 6Pはともに、新しいUSB Type-Cに対応する。Nexus 5Xは10分のチャージで4時間の使用ができ、Nexus 6Pは10分のチャージでほぼ7時間の使用が可能という。
さらにいずれも指紋センサを背面に装備する。12.3メガピクセルの背面カメラが搭載されており、室内でさらに美しい写真が撮影できるほか、超高解像度の4K動画が録画可能で、Appleの「Live Photos」機能のようなアニメーションGIFが作成できる。前面カメラは、Nexus 6Pが8Mピクセル、Nexus 5Xは5Mピクセルだ。
グーグル 製品開発本部長の徳生裕人氏は、5月にスタートしたGoogle フォトについて、すでに500億の写真と動画がアップロードされていると明かす。また開発思想として(1)一生分の大切な写真やビデオを保管する場所(2)整理しなくても大切な思い出がいつでも取り出せる(3)大切なものを簡単に共有し、保存する──の3つを挙げた。
「Google フォトが目指したのは、整理をしなくてもいつでも写真が見付けられること」とし、現在開発中の日本語に対応したGoogle フォトのラベリング機能のデモを公開した。米国ではすでに利用できるサービスで、グルーピングされた被写体に「ママ」「お兄さん」などのラベルを付けておけば、「ママ ハワイ」「ママ 猫」などその他の人物や場所などのキーワードを組み合わせて写真が検索できるというものだ。
このグルーピングがすごいのは、生まれたときの子どもの顔までさかのぼれるところだ。太郎くん(仮名)は3歳で、2012年5月21日に生まれた。実際に「太郎」とグルーピングされた写真を追っていくと、生まれたころの写真にたどり着く。徳生氏は「3歳の太郎の顔と生まれたときの顔は違う。親御さんは何百枚、何千枚と撮っていると思う。私の場合は5万枚ぐらいある。写真には日付がついているので、同じような写真が続いていくと、この人はたぶんちょっとづつ変わっていった同一人物なんだろうということで、時間の変化を追いながら同一人物としてのグルーピングができるようになっている」と説明した。写真の共有は、リンクを作成することで簡単に行える。
さらに、太郎のあのときの写真が見たい──そんな要望にも簡単に応えられるようになっている。徳生氏が実際にプライベートで撮影した写真をもとに、家族で動物園に行き、象にエサをあげた写真を「太郎 像」で探したり雪の日に雪だるまを作った写真を「太郎 雪だるま」で検索したりし、思い出の写真を簡単に探し出せるデモを見せた。なお、写真やラベルはすべてプライベートなものなので人には見えないとしている。
Android 6.0 Marshmallowは何が変わるのか。徳生氏は、「新しい6.0は革新的なものではなく、日々に立ち返ってユーザー体験を向上するにはどうしたらいいかを追求したもの」と説明する。
例えば、ロック画面の改善や急速充電機能、便利になったアプリ一覧。画面の一番上の4つのショートカットは、どんな時間になにを使ったかを学習して、朝使うものを提案するしくみを実装したという。電池の消費を改善してより長時間使えるようになっている。
さらには、「アプリをインストールするときに大量のアクセス権があり、アクセス管理が実現できていないのではないかという懸念があった。インストールするときは最低限のアクセス権限にし、使うときになって『カメラも使ってもいいですか』とアクセス権限を追加していくものに変更した」(徳生氏)
注目の機能は「Now on Tap」だ。Now on TapはGoogle Nowの進化版で、アプリを使用中でもブラウンジング中でも、ホームボタンを長押しするといま見てい画面から移動することなく必要な情報を入手できることを特長とする。
たとえば、Google Play ミュージックで知り合いが勧めてくれた「Do As Infinity」を聞いたとき。もっとアーティストについて知りたくなったら、ホーム長押ししてNow on Tapを起動する。すると「検索」「YouTube」「画像」とアイコンが出てくるので、検索をタップすると検索された詳細結果が見られるといった具合だ。
このほかにも、メッセージで「JJハワイにいかない?」と声がかかったとする。「JJハワイって何だろう?」と思ったとき、同様に長押しするとお店の名前とともに「検索」「ナビ」「電話」「食べログ」などのアイコンが出てくる。
これまで、なにか調べるときにタイプするか、言葉で指示しなければならなかったことを推測し、ホームボタンの長押しひとつで済むようになる。日本語版は年内に提供予定だ。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」