新型「iPod touch」レビュー(後編)--パフォーマンス比較とメリット/デメリットの考察 - (page 2)

Nate Ralph (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年08月28日 07時30分

なかなかの高性能カメラも搭載

 8メガピクセルの「iSight」カメラも搭載されている。iPod touchのカメラはiPhone 6のものより少しだけ遅く、絞り値はiPhone 6のf/2.2に対し、iPod touchはf/2.4だ。動画撮影の解像度は前モデルと同じ1080p、フレームレートは30fpsと控えめで、スローモーション動画は120fpsで撮影される。iPhone 6は60fpsでの撮影、240fpsのスローモーション撮影が可能だ。iPod touchでは、他にも動画撮影時の連続オートフォーカスなどの機能が利用できない。

 それでも、前編で紹介したようにかなり良質な写真を撮影でき、「iOS 8」に組み込まれた機能もすべて利用できる。これには、先述したスローモーション動画撮影のほか、タイムラプス動画や43メガピクセルのパノラマ写真の撮影などが含まれる。カメラ専用としてiPod touchを購入することはお薦めしないが、使っているスマートフォンのカメラが十分な性能でないなら、iPod touchに失望することはないだろう。

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提供:James Martin/CNET

一方、購入を控えるべき理由も

音楽プレーヤーやフィットネスデバイスが必要なら、スマートフォンを持っている人はそれで十分

 携帯電話とPCの隔たりは、かつてiPodシリーズが元気よく埋めていたが、現在はこの隔たりを埋めるデバイスに事欠かない。フィットネスデバイスが欲しいなら、あるいは外で音楽を聞きたいというだけなら、おそらくもうスマートフォンを使ってそういうことをしているはずだ。iPod touchには追加機能が何一つなく、セルラー接続を使えないため外出先でできることが限られてしまう。お金に余裕があり、普段の生活でフィットネスに使うものが欲しいのなら、「Apple Watch」や「Android Wear」スマートウォッチなどのデバイスの方が断然役に立つだろう。

エンターテインメントにはタブレットの方がお薦め

 iPod touchは常に魅力的なエンターテインメントデバイスだったが、7.9インチの「iPad mini 3」などのデバイスは、持ち運びがかなり楽なうえ、ディスプレイが大型で高解像度なので、ゲームをプレイするにも映画を鑑賞するにも、iPod touchよりはるかに満足度の高いエンターテインメント体験を提供する。iPod touchを選ぶ場合、「Touch ID」や「Apple Pay」といった機能も使えないことになる。

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提供:James Martin/CNET

買うべきか、見送るべきか

 今回のiPod touchも、楽しみの多い小型デバイスだ。筆者は以前、最新のiOS環境を確保し、ポータブルジュークボックスやフィットネスデバイスとして利用する目的で、最新モデルを毎年買っていた。だが、iOSでやりたいことは「iPad Air 2」でできるようになったし、音楽とポッドキャストには「Nexus 6」で対応できるようになり、フィットネス機能で足りない部分は、Apple WatchやAndroid Wearなどのスマートウォッチ、あるいはいつも身につけている「Microsoft Band」のようなウェアラブルで補えるようになってきた。

 iPod touchは、驚くほどの高性能カメラを搭載しており、クラシックなデザイン、強力なハードウェア、小型のサイズはいずれも大きなセールスポイントとなる。だが、スマートフォン(や小型タブレット)もすでにこういった作業の大半をこなし、たいていのモデルはもっとうまく処理できるようになっているうえ、セルラー接続機能も備えている。iPod touchは、スマートフォンを持たせるには早すぎる子どもや、タブレットにはない携帯性を求める層には、今でもちょうどいい選択肢だが、ほとんどのスマートフォンユーザーは、余分なガジェットと感じるだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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