Microsoftの「Windows 10」の新機能である「Windows Hello」顔認識システムの安全性は、どれほどのものなのだろうか。The Australianが実施したテスト結果によると、ユーザーに一卵性双生児の兄弟や姉妹がいたとしても、PCに侵入されることはないという。
先週結果が発表されたThe Australianのテストには、6組の一卵性双生児が参加した。双子の片方がLenovoの「ThinkPad」で新しいWindows 10アカウントを作成し、自分の顔をシステムに登録した後、双子のもう片方がログインを試みた。
その結果、6組の双子のそれぞれのテストで、Helloは宣伝通りに機能し、アカウントを作成していない双子の片方のログインをブロックした。
Microsoftがバイオメトリックセキュリティに注力していることは、インターネットユーザーにとって歓迎すべきニュースかもしれない。近年、顔認識や指紋スキャンを含むバイオメトリックセキュリティが全体的に進歩しているので、パスワードを入力する日々は近いうちに終わるかもしれない。そして、セキュリティが比較的弱いため、パスワードの入力はインターネット上で日々実行されるようなタスクには適さなくなってきている。
もちろん、双子を対象に実施された今回のWindows Hello顔検出テストは、必ずしも絶対に確実な科学実験ではないが、同セキュリティ機能の強力さを証明するものではある。Helloは「パスワード入力不要でエンタープライズクラスのセキュリティ」を提供する、とMicrosoftは主張している。
Windows Helloは、指紋や虹彩の認識によってPCのセキュリティを確保する機能もサポートする。ただし、顔認識に関しては、Microsoftは単独でそれを実現しているわけではない。MicrosoftはチップメーカーのIntelと提携して、同社の「RealSense 3D」を利用することで、顔認識機能を提供している。
RealSenseは奥行きを検知可能な赤外線カメラを使って、物体の位置や向きを追跡する。Microsoftはその情報を使ってユーザーの顔や虹彩をスキャンし、対象端末のロックを解除する。
今後、早ければ2016年にも、30%以上の組織によって生体認証が求められるようになる、と市場調査会社のGartnerは考えている。
既にMicrosoftやLenovo、Alibaba、MasterCardを含む200社以上の企業がFIDO(Fast Identity Online)Allianceとして知られる団体を結成している。2013年に創設されたFIDOは、ウェブ上での認証プロセスに関する規格の国際的な採用などの問題に対処し、パスワード使用の低減に寄与することを目的としている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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