7月も後半に入った今、2015年はAppleの「HomeKit」の年にはならないように思えてきた。
Appleはスマートホームおよびコネクテッドデバイス向けプラットフォームのHomeKitを2014年6月に発表したが、HomeKitをサポートする製品は実はほとんど発売されていない。確かに最初のいくつかの製品がちょうど2015年6月に比較的ひっそりと発売されているが、複数のハードウェアパートナーは当時、HomeKitに遅れが実際には生じるだろうと述べていた。
現在、より多くのデバイスメーカーが声を上げて、Fortuneに進展が遅れている理由を説明している。デバイスメーカーは遅れの原因として、何を挙げているのだろうか。Appleの最先端の要件を実装するのが困難なことが理由の1つだという。さらに、それらを実装することでユーザー体験が損なわれることも分かったという。
Fortuneの記事に掲載された以下の情報は、HomeKitに関するさまざまな問題を浮き彫りにしている。
「ドイツのミュンヘンに拠点を置く家電企業のElgatoは、HomeKitの下で低消費電力センサのラインアップを構築しており、Bluetooth LEを使用している。Elgatoが最初にこの取り組みを開始したとき、ドアが開いているのか閉まっているのかを確認するのに40秒もかかった、と同社広報担当のLars Felber氏は述べた」
「Appleとの関係を守るために匿名を希望した別の情報筋によると、その情報筋の会社のデバイスがBluetooth LE経由でHomeKitプロトコルの使用を試みたとき、遅延時間は7分に達したという」
Appleを擁護するために言っておくと、スマートホーム市場で成功を収めるのは容易ではない。
複数の製品シリーズと無線プロトコル、付加価値デバイスを魅力的だがシンプルで安全な方法で組み合わせなければならない。
そして、ハードウェアパートナーの話を聞く限り、最後のことが最大の妨げになっている可能性がある。
例えば、報道によると、AppleはWi-FiとBluetoothの両方を使用するHomeKitデバイスが3072ビットの暗号鍵を使用することを要件に定めているという。
容易にハッキング可能な製品を急いで発売するより、HomeKitのセキュリティを可能な限り強固にしたいとAppleが考えていることは間違いない。
それは理にかなっているが、HomeKitの要件の一部は定まっていないようだ。一部のHomeKitパートナーは、7月に入ってThe Registerとのオフレコの会話において、認定プロセスについて話をしており、その要件を満たすためにデバイスをいかに再設計しなければならないかを述べている。
その結果としてわれわれは、2014年のHomeKitの約束が実現されるのを依然待っているというのが現状だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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