(編集部注:米CNETによる「Apple Music」を使ってみた感想を前編と後編に分けて翻訳して公開します。後編は7月6日に公開しています)
Appleがついに、「Apple Music」によって最新の音楽ストリーミング分野に参入した。同社の狙いは、「Spotify」「Rdio」「Pandora」「Slacker」などを押しのけて、ユーザーが音楽を楽しむ唯一無二の場所になることだ。そのために、ユーザーの個人ライブラリ、膨大な「iTunes」カタログ、そしてニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドンからライブ放送するラジオステーションを組み合わせて提供する。
Apple Musicは、同社がこれまで提供してきた2つの音楽ストリーミングプロジェクト、すなわち「iTunes Radio」と「iTunes Match」に続くサービスだ。いずれもSpotifyやPandoraほどの人気を得ることはできなかったため、今回は「Beats Music」という大黒柱を据えて、音楽ストリーミングに再挑戦する。Beats Musicは、大手ヘッドホンメーカーBeatsの他の事業とともにAppleが2014年に買収したストリーミングサービスで、両方のサービスの要素がApple Musicに組み込まれている。
多彩な機能を備えるApple Musicは、音楽ストリーミング、インターネットラジオサービス、iTunesで購入した楽曲の再生など、音楽に関するあらゆる場面を網羅しようとしている。Apple Musicの特長は人間のチームを活用していることで、プレイリストの作成や、アプリでのユーザーの好みに合った曲の選択という仕事のために、専属のミュージックエディターを採用している。ソーシャルの要素にも力を入れており、フィードで好きなアーティストをフォローすれば、舞台裏の最新情報などを入手できる。他のストリーミングサービスと共通する点も多いが、Apple Musicはそれらすべてを組み合わせて「Beats 1」に盛り込んでいる。Beats 1は、キュレーションによる24時間放送のライブラジオステーションだ。専用の放送局を持つサービスは他にないので、その点でApple Musicには少しばかり独自性がある。
スタートしたばかりの現在、Apple MusicはSpotifyや「Rhapsody」、Pandoraなどに並ぶ有望なサービスに思えるが、同じように軌道に乗るかどうかを判断するには、もう少し時間が必要だろう。だが、何時間か使ってみただけでも、Apple Musicは競合サービスよりもはるかに複雑だった。そのために、サブスクリプションを検討しているユーザーの多くに敬遠されてしまう可能性もある。
Apple Musicの利用料金は月額9.99ドルで、最大6人までが利用できるファミリープランも14.99ドルで用意されている。無料プランもあるが、利用できる機能はiTunesで購入済みの楽曲の再生と、Beats 1放送の受信、広告付きラジオステーションの再生だけだ。
米国時間6月30日より、Apple Musicにサインアップすれば、3カ月間すべての機能を無料で試用することができる。それ以降は、キャンセルしない限り自動的に毎月約10ドルが請求される。料金の請求先はApple IDに登録されているクレジットカードまたはデビットカードだ。自動更新をキャンセルするには、左上にある人のアイコンをタップして「View Apple ID」をタップし、「Subscriptions」の下にある「Manage」をタップすればいい。
Apple Musicを利用するには、「iOS」デバイスを30日にリリースされた「iOS 8.4」にアップデートする必要がある。アップデートすると、従来の標準アプリ「Music」が「Apple Music」アプリに変わる。Apple Musicのサブスクリプション契約をするしないに関係なく、「iPhone」「iPad」「iPod」上のMusicアプリはApple Musicアプリに更新され、すでにデバイス内にある楽曲やiTunesで購入した楽曲の管理に、この新アプリを使用することになる。
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