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売上高10兆円目指して1兆円を戦略的に投資--パナソニック、株主に説明

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 パナソニックは6月25日、大阪市中央区の大阪城ホールで第108回定時株主総会を開催した。会場には5431人と前年の5161人を上回る株主が出席。株主総会の様子が中継された東京では586人(前年621人)、名古屋では492人(前年640人)の株主がそれぞれ出席した。

 午前10時から開始した株主総会は、議長を務めたパナソニック代表取締役社長の津賀一宏氏による開会宣言後、ビデオを通じて、2014年度の業績を説明した。

津賀一宏氏
パナソニック 代表取締役社長 津賀一宏氏

 2014年度は、中期経営計画「Cross-Value Innovation 2015(CV2015)」の2年目として、事業部基軸の経営を推し進め、2018年の「新しいパナソニック」に向けた成長戦略を仕込むための取り組みを推進したと総括。CV2015で掲げた営業利益、累計キャッシュフローの経営数値目標を1年前倒しで達成したことを報告した。

 対処すべき課題と今後の取り組みについては、津賀氏が直接説明。「2015年度は売上成長による利益創出の実現に大きく舵を切る年と位置付け、持続的な成長に向けた取り組みを加速する。成長に向けた投資も積極的に実行する。特に売上高が3000億円以上、営業利益率が5%以下であり、全社の売上増、増益への貢献が大きいエアコン、ライティング、ハウジングシステム、インフォテインメントシステム、二次電池、パナホームの6事業部を中心に改善に取り組む」と語った。

 家電や住宅、車載、BtoBソリューション、デバイスの5つの事業軸と、「日本」、中南米を含めた「欧米」、アジアや中国、中東、アフリカからなる「海外戦略地域」の3つの地域軸を掛け合わせた「5×3のマトリックス」の15の交点のうち、「家電×海外戦略地域」「住宅×日本」「車載×日本」「車載×欧米」「BtoBソリューション×日本」「BtoBソリューション×欧米」の6つを重点領域として経営資源を重点的に投入していく姿勢を強調した。

 2018年度の売上高10兆円の実現に向けて、非連続的な成長を実現するためのM&A投資や研究開発投資に合計1兆円規模の戦略投資を実行することなどを示し、「これまでとフェーズを変える。今後1年1年が勝負の年との思いで成長に向けた取り組みを加速していく」と改めて成長戦略への転換を宣言してみせた。

黄色く塗られているのが重点領域
黄色く塗られているのが重点領域

無配から1年で復配

 午前10時45分頃から株主の質問を受け付けた。

 「倒れないパナソニック」を目指してほしいという声に対しては、「役員一同まだまだだと思っている。普通の会社には戻れたが、まだいい会社ではない。もっとよくなれる余地がある。短期的にはしくじることはあるかもしれないが、成長、業績回復を目指し、社会へのお役立ちに取り組みたい」と語った。

 シャープが3年連続の無配となったのに対して、パナソニックは2012年度の無配後、1年で復配したことについては、「パナソニックの全従業員は会社に誇りを持っている。長年、株主とお客様に支えられてきた。かつては、会社の規模が大きくなり、何が起きているのかということが従業員個人には見えにくい姿になっていた。これは経営幹部も同じであり、私も本社に入ったときに全社の状況を見てもわかりにくかった」と津賀氏が回答した。

 「2012年度以降、忸怩たる思いのもと復活したいと考え、共有し、現状のいいところと悪いところを見て、全員一致の経営で立て直しを図ろうとした。まずは株主に報いることが大切と考え、1円でも配当することを目指し、純利益の黒字化を徹底した。シャープとの比較はわからない」(津賀氏)

 創業50周年の時に特別配当があったことを引き合いにし、2018年度の100周年への特別配当を期待する声に対しては、専務取締役の河井英明氏が「収益力、財務体質の強化に取り組む。100周年においては特別配当を含めて、多くの配当ができるように努力したい」と回答した。

 2017年に消費増税が見込まれ、消費が落ち込む中で2018年度に向けての大幅な売上高を見込んでいるが、津賀氏は「日本ではマイナス影響があると考えているが、グローバルでさまざまな領域で事業を拡大している。1年勝負の年としてがんばる」と述べた。

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