しかし、Elop氏の部門はMicrosoftで、低価格の地味なデバイスを数台リリースしただけだった。また、同社が2015年4月に開催した開発者会議Buildの基調講演に、Elop氏の姿はなかった。
Elop氏が直面していた(そしてMicrosoftが今も直面している)課題の1つが、AndroidやAppleの「iOS」と比べて人気アプリが少ないという点だ。「Fallout Shelter」のような新作ゲームにしても、Snapchatなどのソーシャルネットワークにしても、「Windows Store」で提供されていないアプリがまだまだ多い。Spotifyのような人気アプリも登場しているとはいえ、多くの場合、かなり遅れての提供開始となる。
Microsoftが売りにしているのは、PC、タブレット、スマートフォンに搭載されるWindows 10の共通の基盤によって、開発者は1つのデバイス向けにアプリを開発すれば、他のデバイスにも簡単に移植することができるという点だ。これにより、全Windowsユーザー向けのアプリが増えることを同社は期待している。
Microsoftは以前にもこのような話を語っており、「Windows 8」が披露されたときには、PC、スマートフォン、タブレット共通のタイルベースのユーザーインターフェースというアイデアだった。しかし、当時はまだ、モバイルプラットフォームとPCプラットフォームの中心部に根本的な違いがあった。同社はWindows 10に向けてこの点に対処している。
Myerson氏のもとで新しいグループを編成しようというMicrosoftの動きは、これまでほぼ関わりなく運営されてきた部門同士を連係させることの重要性も明らかにしている。
451 ResearchのアナリストであるChris Hazelton氏は、「ソフトウェアとデバイスとの統合を考える際には、スタッフレベルでの統合が必要になる」と語る。「そうすることで、Microsoftが望む完全な統合が実現する」(Hazelton氏)
Microsoftのモバイル事業には、すでにかなりの進歩をとげている部分もある。タブレットだ。Microsoftの「Surface Pro 3」は消費者の間でヒットしており、特にビジネス志向のユーザーに人気が高い。
Microsoftは1月、Surfaceが10億ドル規模のビジネスになったと発表した。牽引役はSurfaceのハイエンドバージョンだという。Surfaceの成長の一方で、Appleの「iPad」事業は売り上げが減少し、苦戦している。
「Surfaceは競合他社からシェアを奪い、iPadの成長を減速させた」(Hazelton氏)
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