Appleは米国時間6月8日、年次開発者会議Worldwide Developers Conference(WWDC)で「iOS 9」を発表した。高いシェアを誇る同社モバイルOSの最新メジャーアップデートだ。
iOS 9では、「Siri」や標準の地図アプリ、そしてタブレットの生産性が強化され、「Android」や「Windows」を搭載する一部のスマートフォンとタブレットに近い機能が搭載されることになる。ここでは、予定されている新機能と、その登場時期を紹介する。
SiriはAppleが他社に先駆けて導入したパーソナルアシスタント機能だが、最近はGoogleのAndroidにおける同等の機能(特に「Android M」でアップデートされた「Google Now」)に後れを取り始めていた。しかし、それも長くは続かない。「Proactive」という開発コード名のSiriの新しいサービスは、適切な情報をユーザーが必要とするタイミングで教えてくれるという。
新しいSiriで変わる点を紹介しよう。まず、UIが新しくなり、かなり具体的なリクエストにも応えられるようになる。たとえば、「Show me photos from Utah last August」(去年の8月にユタで撮った写真を見せて)や、「Remind me to grab my coffee from the roof of the car when I get in」(車に乗るとき、ルーフからコーヒーを下ろすように知らせてほしい)と指示することができる(2つ目の例は、Microsoftの「Cortana」の機能を意識した指示だ)。
検索自体に関しては、スポーツの得点や、Vimeoなどさまざまなサイトの動画を探すことができ、検索結果から直接再生することができる。Appleの新しい検索APIがこれをすべて内部的に処理し、アプリから情報を引き出して、アプリ自体へのリンクを提供する(ユーザーがすでにサインインしているアプリに対してで、つまりはショートカットとなる)。
また、Siriの検索を呼び出すたびに、「Suggestions」という機能がはたらき、人に関する情報、検索すべきアプリ、同じ時間帯によく使うアプリなどが提案される(これが本当に役に立つのか、混乱のもとになるだけなのか、まだ判断できる段階ではない)。
Siriは、Appleが買収した「Beats Music」(名称は「Apple Music」となる)とも連携する。具体的にリクエストした楽曲を再生するだけでなく、楽曲の探し方も理解するため、たとえば「Play the song from "Selma"」(『グローリー/明日への行進』の歌を再生して)とか、「Top 10 songs of the 1980s」(1980年代のトップ10を再生)といった検索も可能になる。
Apple独自のMapsアプリは、リリース当初から乗り換え案内の機能がなく、今までその大きな弱点を引きずってきた。MapsはiOS 9で、特に使用頻度の高いGoogleのいくつかの機能に追いすがる。たとえば、乗り換えの案内が示されるようになる。
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