Googleは先週、ボストンで開催されたRE.WORK Deep Learning Summitで、「Im2Calories」という新たな人工知能(AI)プロジェクトを発表した。米国時間5月29日付けのPopular Scienceの記事によると、Googleが同プロジェクトで目指しているのは、皿を撮影した写真を調べるだけで、皿に盛られた各食品のカロリーを計算できるようにすることだという。
Googleの研究ラボで人工知能とアルゴリズム、理論を専門に研究しているKevin P. Murphy氏によると、Im2Caloriesは「画像にある各ピクセルの深度」と「高度な深層学習アルゴリズム」を使って食品を判別し、大きさを認識してカロリーを算出するという。同氏はまた、食べ物の写真は高解像度で撮影したものでなくてもカロリー計算が可能だと述べたと、Popular Scienceは伝えている。
このAIプロジェクトは、視覚分析とパターン認識の2つの手法を通じて機能する。Murphy氏は自身のプレゼンテーションで、このAI技術は、最初の数回の実行では含まれるカロリーを正確に把握できない可能性があるが、より多くの人々がそれを使って結果を共有することで精度が向上すると述べた。
この新しい技術は、食事の管理を容易にしたり、食事日誌アプリなどの栄養管理ソフトウェアを向上させたりするのに活用できる可能性があるのは明らかだ。ただし、Murphy氏はプレゼンテーションで、自身の抱く大きな希望とは、この技術を減量支援企業Weight Watchersの指導員にありのままを伝えたり、肥満を防いだりするためだけに応用することではないと述べた。同氏は、同じAIが他のソーシャルパターンにも応用できる可能性を示唆し、一例として、ドライバーが駐車スペースを探す際に役立つ交通状況の分析を挙げた。
Googleの広報担当者であるJason Freidenfelds氏は米CNETに対し、Im2Caloriesとそれに搭載されるアルゴリズムは、まだ研究の段階であり、「現段階で具体的な製品計画はない」と述べ、「したがって、今後いくつかの製品として実現する可能性があるのか、あるいはそれをどのように実現するのかについて、われわれはまさに見通しを立てているところであり、現時点でこれ以上話すことはない」とした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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