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アーティスト活動に最先端技術が不可欠に--「音楽・映像」の先は「体験」

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 ユーザーが映像コンテンツをさまざまなプラットフォームでストレスなく消費できる環境のなか、音楽は「音源」としてではなく「映像」として視聴されるようになった。映像の表現はよりリッチなものとなり、没入感といった点でその「体験の価値」はますます高まっている。そうした中で、アーティストは映像に関するテクノロジへの理解を深め、活用していくことが求められるだろう。

 実際、アクションカメラやドローンを用いて撮影された映像を使ったミュージックビデオを目にすることも多くなり、ライブ演出ではプロジェクションマッピングやVR(仮想現実)といったテクノロジを用いた演出も見られるようになった。これらのテクノロジは各々が異なるコンセプトを持つものではあるが、個別の技術を掘り下げて差異を述べるのではなく、“これまでにない映像表現、そして体験を生むテクノロジ”として横並びに、かつ簡易に整理してみたい。


 “今ここに在るもの”を“現実”とするならば、これまでになかった視点で“現実”を見るテクノロジとしてアクションカメラやドローン、現実に情報を付加できるのがAR(拡張現実)やプロジェクションマッピング、“今ここにはないもの”を具現化するものが3DホログラムやVR(仮想現実)、そして“現実”と非現実の境目すら無くした世界を見るものがSR(代替現実)、というようにテクノロジを整理できるだろう。

(1)今ここに在るものを、視点を変えて見る

 GoProに代表されるアクションカメラは、サーフィンやスノーボード、またはBMXをはじめとするエクストリーム系のスポーツとの親和性が高く、そうしたスポーツを「競技者視点」で誰もが楽しむことを可能にした。最近ではアーティストによる活用も増え、小室哲哉氏が自身のステージでシンセサイザーにGoProを取り付け、シンセサイザー視点でのステージパフォーマンス映像を公開した。これらは、“今ここに在るもの”をこれまでになかった視点から捉えるという点で新たな体験を提供する。


 また、AmazonやGoogleによる商用利用が進められているドローンは、アクションカメラと組み合わせることで、これまで人間が入り込めなかった領域からの視点での撮影を可能にした。アーティストがドローンを用いて作成した映像としては、毎回そのミュージックビデオに定評のあるOK Goが日本で撮影したこちらの作品がある。

(2)今ここに在るものに情報を加える

 アクションカメラやドローンは、テクノロジによって人間の身体的な制約を取り除き、“今ここにあるもの”をこれまでは不可能だった視点から撮影することで体験の価値を創出した。他方で“今ここにあるもの”に異なる情報を加えられる技術として、ARやプロジェクションマッピングがある。

 ARは、マーカーをスマートフォンなどのデバイスから見る、もしくはスマートグラスのようなウェアラブルデバイスを通じて見ることで、さまざまな視覚的情報が現実に付加された状況を体験できる。アーティストではAVICIIが早い段階でARを活用している。アパレルブランドのキャンペーン時に広告ビジュアルにマーカーを仕込み、それをスマートフォンなどのデバイスで読み取ることによって閲覧可能な映像を公開した。

 プロジェクションマッピングの事例は多いが、この3月に米国で開催された音楽やテクノロジのイベント「SXSW」では、PerfumeがARやマッピングなどのテクノロジを組み合わせたパフォーマンスを披露し、その映像を公開した。メンバー3人各々が可動式のスクリーンを持ち、そのスクリーンに映像マッピングすることで幻想的なショーを披露すると同時に、現実のパフォーマンス映像と仮想の映像を重ねることでこれまでに体験したことのない作品となっている。

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