モバイル決済「Square」、低価格ギフトカード発行で“来店”も支援へ

 Squareは3月23日、中小店舗向けのプリペイドカード発行サービス 「Square ギフトカード」の提供を開始した。低コストかつ簡単な手続きでオリジナルの電子マネーカードを発行できるサービスだ。同日から首都圏のコーヒー専門店12店舗に先行導入し、本格提供は開始時にウェブサイトで告知するとしている。


「Square ギフトカード」で発行したギフトカード
 これまで、スーパーや飲食店がプリペイドカードの仕組みを導入するには100万円以上の初期費用がかかり、月額利用料や支払い金額に応じた手数料も発生するため、大手事業者でなければ導入が難しかった。Square ギフトカードは、プリペイド専用のシステム開発が不要なため初期費用や月額料がかからず、必要な枚数のカード代金のみで発行できるという。サービスを先行提供している米国では1枚1.5ドルでカードを発行しており、日本でもこれに近い価格帯になるとしている。

 店舗はウェブサイトで好みのデザインや必要なカード枚数を選んで申し込む。同社が用意したテンプレートデザインでは1~2週間、オリジナルデザインでは2~3週間ほどでプリペイドカードが届くという。その時点では電子マネーはチャージされておらず、顧客が買いにきたタイミングで、Squareリーダーを装着したスマートデバイスでチャージする仕組み。カードにはシリアルナンバーが登録されており、サーバでそれぞれのカードの残高を管理できる。


ギフトカードはクレジットカードと同様にSquareリーダーで決済する

 まずは、表参道コーヒーやCOFFEE VALLEYなど東京や神奈川のコーヒー専門店から提供するとしている。一般提供の際には既存の顧客から案内する予定。ただし、誰でも利用可能にするか、審査をするかは、パートナーとの協議や日本の商習慣と照らし合わせて検討するという。

来店から決済まで「一気通貫」で支援

 日本市場に参入して2年が経ったSquare。これまでは中小店舗向けにクレジットカード決済機能や売上げの分析機能を提供してきた。今後はこれに加えて“興味喚起”や“来店”の領域も一気通貫で支援していきたいと、Square プロダクトマーケティング マネージャの掛谷悟史氏は話す。

 Square ギフトカードはその第1弾となる取り組み。店舗は低コストで新装開店の広告ツールや、新製品のクーポン、ノベルティなどでオリジナルのギフトカードを作れるようになる。また、財布を持ち歩くことが難しいフェスや、海水浴、山登りなどでのイベント共通券としても使えるとした。

  • 決済や分析に加えて、興味や来店も領域も支援したいと掛谷氏

  • Square ギフトカードで期待できる効果

  • 首都圏のコーヒー専門店12店舗から導入

 掛谷氏は、店舗名義で発行されるハウスプリペイトカードは、新規顧客の獲得や再来店につなげられると説明。ICT総研では、ハウスプリペイトカード市場は2014年に5790億円、2017年には1兆円規模に成長すると予測していることから、その中でシェアナンバーワンを狙いたいと意気込んだ。

 Square ギフトカードに続く第2弾の来店支援策も検討している。米国では来店するとポイントが貯まるパンチカードプログラムや、来店頻度が落ちている顧客にクーポンコードを送るといったプロモーション機能を提供しており、日本でもこういった施策を展開していきたいとした。

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