「Instagram」企業活用術

ハッシュタグで若者を取り込む--「Mercedes Benz USA」のInstagram活用 - (page 2)

小林洋祐、山崎稚葉(メンバーズ)2015年03月24日 08時00分

キャンペーン成功のポイント

(1)ブランドストーリーを効果的に伝えるクリエイティブアイデア

 ターゲットとしていた若い世代のユーザーにアプローチするため、当時流行りの「#ThingsOrganizedNeatly」をコンテストに取り入れ若い世代のSNS文脈に沿った形でブランドイメージを伝えることに成功しています。また、彼らの傾向(SNS上で自身の個性を積極的に表現しようとする)を捉え、「アイテムを並べるだけ」という自由度の高いテーマを設定したことも、彼らの共感を得た要因の1つといえるでしょう。

 「#ThingsOrganizedNeatly」タグは日本でも盛んに利用されており、そのファッション版とも言えるのが「#置き画くら部」というハッシュタグで、コーディネートを床に並べた写真が投稿されています。ここではハッシュタグを通じ、お洒落好きな女性同士が自身のセンスを表現し合う1つのコミュニティが形成されています。

 事例から読み取れるように、成功のポイントはInstagramキャンペーンで共感・参加を得るには、ターゲット層がどのようなハッシュタグを利用しシェアしているのか、そのトレンドをキャッチすることと思われます。

(2)インフルエンサーの活用

 俳優をはじめとするインフルエンサーやアルファInstagrammerに参加してもらうことで、若い世代にキャンペーン認知を広げることに成功しています。

 Mercedes Benzは、2013年夏に新モデルのキャンペーンを実施した際も、フォロワー数の多いユーザーに情報発信してもらうことで、1週間で「50万いいね!」を獲得するという成果を上げています。このような成功事例から、Instagramキャンペーンを盛り上げるにはインフルエンサーの活用が有効であるといえます。事実、Instagram公式は、個性的なアルファユーザーの投稿スタイルをユーザーに見せることがアクティブ率向上につながったと述べています。

(3)FacebookとInstagramの連動

 複数のSNSとその広告プログラムを利用し、適切なタイミング情報を伝えたことで、複数のSNSを使いこなす若い世代に多くのブランド体験機会を提供しています。

 事実、Mercedes-Benzマーケティング部ゼネラルマネージャーのEric Jillard氏は、「デジタルマーケティング施策にInstagramを取り入れることで、若い消費者との接点を創り出すことができています。ブランディング広告においては、InstagramとFacebook両方で広告を打つことで、サイトVisitは50%以上増加。ブランドサイトの滞在時間も長くなりました」と述べています。すでにInstagramキャンペーンとFacebook広告を導入している企業は、それらを組み合わせることにより、マーケティング成果をより向上させられるかもしれません。

まとめ

 今回のキャンペーンでは、ブランドストーリーを伝えるクリエイティブアイデアのヒントをInstagramのハッシュタグに見出した点が大きなポイントでした。Instagramのハッシュタグは、同じ趣向のユーザーと投稿を共有し自己表現をするという機能を持っています。この特性を理解し、ターゲット層の共感・参加を得るキャンペーンを検討していく事がInstagramでのキャンペーン成功の秘訣かもしれません。

 Instagramでは、常時公式アカウントやブログで注目のハッシュタグを紹介しているので、そちらを参照してみると良いでしょう。次回は、ニューヨークで人気のヨーグルト専門店「Chobani(チョバーニ)」の事例をご紹介します。

(記事参照元)

■Instagram:Instagram for Business(2015-03-13)

■Mercedes Benz USA:GLA Packed(2015-03-13)

■Mercedes Benz USA:公式ウェブサイト(2015-03-13)

■Luxury Daily:Mercedes-Benz gets colorful, organized in #GLAPacked road trip contest(2014-06-27)

小林洋祐

メンバーズ

アカウントサービス第5ディビジョン所属
大手企業のソーシャルメディアマーケティング支援を担当

山崎稚葉

メンバーズ

アカウントサービス第8ディビジョン所属

監修:メンバーズ エンゲージメントラボ
エンゲージメントラボとは・・・
メンバーズが蓄積した知見・ノウハウとエンゲージメント向上に特化した事例を集約・研究し、顧客企業へのより一層の効果的なFacebookマーケティングサービスの提供や新たなサービス開発を推進します。
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