新型「Chromebook Pixel」の第一印象--前モデルからの変更点と今後の課題 - (page 2)

Nate Ralph (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年03月16日 07時30分

 Appleの新型MacBookと異なり、Pixelは両側面にUSB-Cポートが搭載されているため、充電しながら別のデバイスに接続することができる。また、充電は左からも右からも可能だ。SDカードスロットと2基のUSB 3.0ポートもあるため、古いハードウェアやUSBキーも使える。ただし、USB-Cはまだ登場したばかりなので、外部ディスプレイに接続したければ、オプションのアダプタを購入する必要がある。HDMIアダプタやDisplayPortアダプタと組み合わせれば、4K出力が可能だ。

ディスプレイは魅力的で、かなり明るい。
ディスプレイは魅力的で、かなり明るい。
提供:Josh Miller/CNET

ハイエンド、ハイプライス

 新型Chromebook Pixelは、旧モデルと同じ2560×1700ピクセル解像度の13インチディスプレイを備える。Googleによると、このディスプレイではsRGB色域が改善されているため、色精度が向上するはずだという。旧モデルと同様、新型Pixelの輝度も400nitとかなり高い。スクリーン密度は239ppiなので、非常に快適な読書が可能になるはずだ。3対2という珍しいアスペクト比も維持されており、多くの人が慣れているものより縦方向に長く、少し正方形に近いディスプレイとなっている。

 ボディは堅実な作りではあるが、同価格帯での競争は2年前より激しくなっている。現在、Dellの「XPS 13」やHewlett-Packard(HP)の「Spectre x360」などのシステムは、Pixelより薄く軽量であり、高解像度スクリーンオプションも提供する。Appleまでもがようやく、MacBookシリーズに部分的な化粧直しが必要だという結論に達した。

 内部のアップデートはさらに重要だ。ベースモデルは999ドルで、Intelの2.2GHzの第5世代Core i5プロセッサ(以前は「Broadwell」という開発コード名だった)、8GバイトのRAM、32Gバイトのストレージを搭載する。旧モデルと比較すると、RAMの容量が倍増し、より高速で効率性の高い新型CPUが採用されたにもかかわらず、価格は300ドル下がった。1299ドルで購入できる「Chromebook Pixel LS」は、2.4GHzの「Core i7」プロセッサ、16GバイトのRAM、64Gバイトのストレージを搭載。前世代のベースモデルと同じ価格だが、性能は大幅に向上している。「LS」は「Ludicrous Speed」(滑稽なほどの速さ)を表す。これは素晴らしいことだ。ただし、今回、LTEモデルは提供されない。また、内蔵ストレージは安価なWindowsノートPCと比べてもかなり少ない。

今後の展望

 Pixelは今も妥協のケーススタディだ。新モデルのバッテリ持続時間とパフォーマンスは旧モデルを上回るとされている。Chrome OSには、ファイル形式を変換せずにMicrosoft Office文書を開いて編集できる機能など、いくつかの機能が追加された。ハードドライブの容量が少ないことはやはり煩わしいが、SDカードを本体側面から突き出ないところまで差し込めば、ストレージを安価に拡張することができ、邪魔になることもない。また、「Android」アプリのChrome OSへの移植も進んでおり、将来の相互運用性向上への道を開いている。

 今回の新型Chromebook Pixelも旧モデルと同じ問題に直面している。Wi-Fiを受信できなくなれば大半の機能が使えなくなるマシンにしては、価格が高すぎるという問題だ。オフラインファイルや「Word」文書の編集はこれまでより簡単になっており、オンラインとオフラインの溝は埋まりつつある。しかし、全体的にアプリが不足しており(特に写真編集のアプリ)、オフラインでも機能するアプリはさらに少ない。新型Pixelで、Googleはハードウェアに関しては素晴らしい仕事をしたが、やはりこのソフトウェア面の溝を乗り越える必要がある。

ブラウザ内でほとんどの時間を過ごすユーザーなら、Pixelを気に入るだろう。
ブラウザ内でほとんどの時間を過ごすユーザーなら、Pixelを気に入るだろう。
提供:Josh Miller/CNET

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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