“愛でるスマホ”になるシャープのおしゃべり機能「emopa」--キャラ追加、他機種にも対応へ

 シャープが2014年秋から自社製スマートフォンに搭載しているおしゃべり機能「emopa(エモパー)」。ユーザーから高い支持を集めていることから、同社では機能性を強めるバージョンアップを実施。また、発売済みの未搭載端末に対応した「エモパーLite」もリリースし、プロモーションにも力を入れていく方針だという。

 エモパーとは「エモーショナルパートナー」の略。機能面やコンセプトを踏まえて意訳すると「自らの意思と感情を持ってユーザーに接してくるスマホ」といったところである。「おはよう」「おかえり」「おやすみ」などと適宜挨拶してきたり、当日の天気やイベント情報、ユーザー本人の占い結果などを声で教えてくれたりする機能だが、これらを自発的、かつタイミングよく行ってくれる点がポイントだ。


「emopa(エモパー)」のイメージ

 まず「自発的」。従来、こうした機能を伴う端末とのコミュニケーションは、ユーザーからの直接的接触に対するリアクションとして設定されるものだが、エモパーの場合、これらを自らのアクションとして仕掛けてくる。

 次に「タイミング」。あれこれ構わず四六時中話しかけられては愛でる気持ちを通り越してイラついてしまいそうだが、それを踏まえた上で「空気を読んで」話しかけてくる。なお、実際に声を発して呼びかけてくるのは自宅にいるときのみで、外出先では会話が画面上に表示される形となる。

 この自発性とタイミングの良さを支えているのは、シャープ独自のセンシング技術(スマートセンシング)だ。GPS連動をはじめとする端末内の機能を用いて、自宅の場所や職場、移動の手段(徒歩、自動車運転中、電車搭乗中など)を判断し、状況に応じた呼びかけを実現している。

 発せられる音声は吹き込みではなく合成音声で、話題のバリエーションに厚みを持たせている。また、クラウドなどの大規模なサーバを後ろ盾とせず本体処理を基本としており、センシングで取得した各種情報は端末内の他のアプリにおいても活用されることはないという徹底したプライバシー保護体制が敷かれている。


「より話しかける」よう改良--呼び方アクセントも

 さて、この「愛でるスマホ」ともいうべきエモパー機能だが、実のところ極めて役立つ機能というものではない。いわゆる音声ナビゲートの類ではなく、こちらからの呼びかけにインタラクティブに応じるわけでもない。よって、複雑な機器操作をアシストしてくれるような機能性も持ち合わせていない。

 ところが、シャープが実施した顧客調査によれば、対応端末購入者の3割以上が本機能を利用しており、利用者の半数以上が「満足している」と回答。ちなみに利用率3割とは、一般的な音楽再生機能などと比較してもそん色ない数値である。

 また、機能に「不満がある」と回答したユーザーの多くは「もっと話しかけてほしい」と要望していた。そこで今回のアップデートでは「より話しかけるよう」改良し、話題についても週末の映画情報やYahoo! JAPAN急上昇ワードに関する内容などを追加。話すシナリオを20%程度増量させた(ソフトバンク端末ではすでに実装)。

 また、愛着を生む一因としてユーザーから高い評価を集めた「名前を呼んでくれる機能」について、アクセントを選べる機能も追加。これは「ミワさん」(三輪さん、美和さん)など姓名によって異なるアクセントが求められる呼び名に対応するためのもので、ユーザーからの聞き取り調査によって採用を決めた機能だという。

 その他、話しかけてくれるキャラクターをダウンロードで追加提供する。追加されるのは、ネット上で話題を集める1コマ漫画「サラリーマン山崎シゲル」の作者・田中光氏とのコラボによる「秘書・桜田かおる」、KDDI端末では先行提供されていた「おれんじん」の2キャラ。従来の「えもこ」「さくお」「つぶた」とあわせ、より選択のバリエーションを広げた。

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