「Alexa、『Amazon Echo』のレビューを私の代わりに書いてくれるかい?」
残念ながら、Alexaはこの依頼に応えられなかったし、筆者の質問にも答えられなかった。しかし、頼むことで何らかの問題が出てきたわけでもなかった。筆者は、Alexaがいつの日か人々の書いた多くのレビューをふるいにかけ、その場で概要と評価をまとめ、自らのレビューとして答えてくれる日が来るだろうと信じている。
Alexaとは、Amazonの新製品であるクラウド接続型の音声認識ワイヤレススピーカー「Amazon Echo」に採用されている声の主に付けられた名前だ。Alexaはユーザーの問いかけに応じるパーソナルアシスタントとして機能する。今のところその能力は限られているとはいえ、気の利いた機能がいくつか用意されている。
そういった機能について語る前に、まずは価格の話をしたい。Echoは199ドルだ(発売日や、米国以外での発売予定は発表されていない)。しかし「Amazon Prime」(米国)の会員であれば、期間限定(数カ月先まで続きそうだ)ながら同製品を99ドルで購入できる。
ただ、Prime会員かそうでないかに関係なく、この製品を購入する機会を得たい人々はAmazonから招待してもらう必要がある。あるいはわれわれのように大金をはたいてeBayで購入するという手もある(ただ、この方法はお勧めしない)。
Echoはどの程度うまく動作してくれるのだろうか?実際に使ってみたところ、いくつか問題はあったものの、筆者が使ったことのある音声制御デバイスのなかでは優れた部類に入り、現在の「iOS」や「Android」「Windows」を搭載したモバイル機器に組み込まれている先進的な音声制御システム(すなわち「Siri」や「Google Now」「Cortana」)よりも全体的に優れているようだ。「Amazon Fire TV」に搭載されている音声制御も同様にうまく動作する点に着目すると、同社の音声認識プロジェクトに才能あるエンジニアが携わっているのは明らかだ。
高さ9.25インチ(約23.5cm)の円筒形で極めてスタイリッシュなこのスピーカーの上部には7個のマイクが埋め込まれている。カラーは今のところブラックのみとなっている(筆者はホワイトのモデルが出てきてほしいと考えている)。スピーカー上部のボリュームリングは、ユーザーが「Alexa」と呼びかけた際に発光し、コマンド入力待ちになったことを知らせてくれる。なお、Alexaは筆者の言葉のほとんど(少なくともAlexaが理解すべき言葉)を理解してくれた。
Alexaの応答音声は筆者の耳には極めて自然に聞こえた。Siriよりも優れているように感じたといっても、それには少し偏見が入っているかもしれない。筆者のミドルネームはAlexisなのだ。また、その声質は魅力的であり、Alexaを「それ」ではなく「彼女」と自然に呼んでしまえるほどの十分な「リアルさ」があった。
彼女に「Amazon」と呼びかけても動作するが、それは適切だと感じなかった(現在分かっている範囲では、呼びかける際の「名前」を変更することはできないし、声の「性別」を変えることもできない)。
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