現時点での最も大きな制約は、天気予報や辞書の照会以外の部分に存在している。EchoはWikipediaとその他のいくつかのデータリポジトリ(冗談などの検索に使用される)としか連携しておらず、GoogleやBingといった他の検索エンジンを使用していないようだ。ただ、質問の答えが見つからなかった場合、タブレットや携帯電話にBingのリンクを送信するようになっている。Amazonは将来的に、同じくシアトルに拠点を置くMicrosoftと提携し、Bing検索の機能を追加してくるかもしれない。
また、音楽の再生時に不具合に遭遇したこともある。Amazon Primeのプレイリストの再生を指示したにもかかわらず、その前に筆者がジャズステーションを指定した際に選ばれてしまったiHeartRadioの「Z100」ステーションが選局されたのだ。さらに他のワイヤレススピーカーと同様、そのリスニングエクスペリエンスはワイヤレス接続の品質に依存する。そして、クラウドから情報を取得する音声制御システムも接続品質に影響される。
Alexaがユーザーの要求に応じて戸締まりをしたり、部屋の電気を消したり、サーモスタットの温度を上げるという光景を想像するのは簡単であり、そういったことは適切なソフトウェアアップデートと、おそらくは数社との戦略的提携によって十分可能になるはずだ。既にSiriやCortanaといった音声制御システムや、専用の音声制御型スマートホーム機器がいくつもあり、スマートホームの実現は夢ではなくなっているため、Alexaが同様の道を歩んでも驚きはしないだろう。ただ、今のところAmazonは、Echoによるスマートホームという野望を抱いているとしてもまだ手の内を明かしていない状態だ。
Alexaは時間とともに賢くなっていくように作られている。彼女はユーザーが語りかける言葉を学習するようになっており、アプリ内にはスピーチトレーニングツールも用意されている。ただ、この製品に語りかけるユーザーが複数いる場合に、そうした学習がどう進展するのかは分からない。
上述したように、彼女は筆者の音声命令を正しく認識していた。ただし混乱する場合もあった。例えば筆者が「What is CNET?」(CNETって何?)と尋ねた際、彼女は「What is See Net?」(See Netって何?)という質問だと解釈した。彼女は「See Net」が何かを理解できず、それは筆者とて同じであったが、彼女は検索できるようBingのリンクを提供してくれた。
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