仮想現実(VR)普及に必要なもの--現実味を帯びた2014年と次なる課題 - (page 2)

Scott Stein (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2014年12月24日 11時57分

ピクセル密度の向上

 最新のVRヘッドセットを初めて装着すると、上下左右、さらには背後にまでに広がる広大な世界に圧倒されるに違いない。だが、「なぜ何もかも少しぼやけて見えたり、ピクセル状に見えたりするのだろう」という疑問も感じるだろう。これは、VRヘッドセットの稼働に使われている高ピクセル密度のディスプレイが、2つの眼球用にスクリーンを分割し、巨大なレンズですべてを拡大しているからだ。5.7インチ2560×1440という驚異のピクセル密度を誇るサムスンの「GALAXY Note 4」のディスプレイでさえ、機能はするものの壮大とは感じない(皮肉なことに、スクリーンは眼球から数mmほどの位置にあり、それはちょうど、4K解像度が実際に有効になる距離だ)。VRにおける「Retina display」が実現するまでには、まだしばらく時間がかかるだろう。ピクセル密度がまだ十分ではなく、VRの表示に必要なプロセッサにもさらに高性能化が要求されるからだ。

Leap Motion VR。仮想空間で見た手。
Leap Motion VR。仮想空間で見た手。
提供:Leap Motion

入力の改善と新たな操作方法

 VRは眼と頭を使用する技術だが、見事な風景を見た後は、どうやって何かを操作するのだろうか。Gear VRでは、機能の限られた側面タッチパッドを使用する。ゲームの場合は、Bluetoothゲームコントローラと、首を回す動作のための内蔵のジャイロと加速度計が使われる。ユーザーが本当にやってみたいのは、動き回ってものをつかむことだ。Googleの「Project Tango」や、他の深度感知式3Dカメラはフルモーションと物理的な動きを追求しており、Project MorpheusとOculus Riftには、外部カメラでサポートされる高度な頭部追跡機能がある。Morpheusは「PlayStation Move」モーションコントローラも使って驚くほどの効果を実現している。触覚振動フィードバック機能を追求する手袋や周辺機器もあり、Leap Motionや、Oculusが買収したNimble VRなどの企業の技術では、手の動きをスキャンして追跡することができる。仮想世界で手を伸ばして何かをできるようになるというのが、次の大きなステップだろう。

Gear VRのタッチパッド。まだ十分ではない。
Gear VRのタッチパッド。まだ十分ではない。
提供:Sarah Tew/CNET

さらなるキラーアプリの登場

 当たり前のことを言うようだが、素晴らしいコンテンツは多ければ多いほど良い。VRには、専用に開発されたゲームやアプリが必要である。つまり、まったくの振り出しからのスタートということだ。スマートフォン、タブレット、PCはどれも、写真や動画などの閲覧、ウェブページの閲覧といった共通の機能を搭載している。VRでは、すべてのルールを最初から書き直し、異なる光学機器を採用しなければならない。VRプラットフォーム向けの初期の魅力的なプロジェクトも進んでいるが、課題は山積している。Oculusは世界中のファンベースを利用して巨大なソフトウェアライブラリを構築してきたが、VRに対する驚嘆はまだ、主にそのテクノロジに対する驚嘆であって、ソフトウェアに対する驚嘆ではない。この状況は間もなく変わりそうだ。

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提供:Sarah Tew/CNET

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