「昔は楽天が大嫌いでした」--世界へ羽ばたく人気店が「楽天市場」と歩んだ14年間 - (page 3)

井指啓吾 (編集部)2014年12月15日 09時00分

 楽天市場での店舗運営が予想以上に忙しく、実店舗を出すタイミングを逃していましたが、スタートの目標が「お店を持つ」ことだったため、2010年頃から店舗を構える場所を探していました。自分の地元である横浜ならではの場所に出店し、ネットでは味わえないなにかを提供したいという思いがありました。そして、それがかたちになるタイミングが2014年でした。

――シンガポールでもお店を探しているようですね。

 配送の問題で、日本からの配送だとコスト面でのハードルが高いため、実店舗を持ちながら、ネット通販でもそこから商品を届けようと思っています。

  • VANILLA BEANS みなとみらい本店

――海外展開の現状は。

 最初に米国でチャレンジしました。楽天のイベントで、マーケティングを兼ねてカリフォルニアに行きましたが、その時、商品を運ぶのが大変なこと、気温が高くてチョコレートが溶けてしまうことなどの課題がわかりました。

 米国は距離が遠く日本とは食文化も違い難度が高いため、一旦保留し、アジアに目を向けて台湾、香港、シンガポールと試してきました。シンガポールでは「日本から商品を配送する」かたちで、先行してインターネット通販を始めていたため、お客様の反応はテストできており、味に関してはご満足いただけていることがわかっていました。

 シンガポールで楽天スーパーSALEを実施した際、商品ランキングで1位になるほどの注文が入りましたが、いざ商品を発送してみると、お客様のもとに到着する時にはすべて溶けていたことがあります。夏場、シンガポールの気温が高い時期のことでした。

 その後の対応として、お客様に商品をキャンセルしていただく方法もありました。しかし、注文をもらったからには商品をしっかり届けて信頼を勝ち取らなければ、海外に出ていく意味がありません。そこで、1件あたり約1万円かかるクール便を利用して送ることにしました。

 送料の負担は重かったものの、クール便で商品を送った先のお客様がとても喜んでくれたので、しっかり届けることができてよかったと思っています。インターネット通販海外展開時の「配送」という壁は、今も変わらず実感しています。

――楽天市場の魅力とは。

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