AppleとIBMは米国時間12月10日、「IBM MobileFirst for iOS」製品ラインの一環として10本のアプリをリリースした。両社は7月に、大企業向けモバイルアプリの提供で提携を発表していた。今回のアプリは、航空、通信、保険、銀行、政府などの業界を対象としている。
例えば「Plan Flight」は、航空会社のコストを節制するために、パイロットが飛行を管理するために設計されている。「Passenger+」は、機内で客室乗務員が乗客にパーソナライズされたサービスを提供できるよう支援するものだ。「Retention」という保険業界向けのアプリは、代理店による優良顧客の維持を支援する。政府機関向けのアプリは、ケースワーカーの支援や犯罪防止を目的としている。
これらのアプリは、Citi、Air Canada、Sprint、Banorteなどが既に導入を決めている。
AppleとIBMは提携を通して、将来的には各業界に特化した、100を超えるエンタープライズアプリを「iPhone」と「iPad」向けに構築する意向だ。IBMは、自社のクラウドサービスを「iOS」向けに最適化し、Apple製品をソフトウェアとバンドルして世界中の企業に販売する予定だ。Appleのサポートプラットフォーム「AppleCare」もIBMの顧客向けに改良され、IBM従業員によるオンサイトサポートと組み合わせて提供される予定である。
両社の発表は世間を驚かせたが、Appleにとって非常に重要な意味をもっている。Appleはこの数年間、自社製品が企業で採用されるケースが増加していると述べていた。四半期ごとに決算報告電話会議が開かれる度に、同社幹部らは、それまでにiOS搭載製品を採用または試用した「Fortune 500」企業に言及していた。
Appleのワールドワイドマーケティング担当シニアバイスプレジデントを務めるPhilip Schiller氏は声明で、「iPhoneとiPadのエンタープライズ利用における大きな一歩だ」と述べた。「ビジネス界はモバイルに移行している」(Schiller氏)
一方、IBMはAppleと提携することにより、Appleと提携していなければIBM製品やサービスを利用しなかったであろう顧客を獲得できる。IBMブランドにはない、Appleならではの「カッコよさ」を有効活用することもできる。
両社の連携により、「クリティカルなビジネス向けのノウハウも持ち合わせた、エレガントで美しく、スマートなアプリ」が開発できたとIBM Global Business Servicesのシニアバイスプレジデントを務めるBridget van Kralingen氏は述べている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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