(編集部注:米CNETによる「Nexus Player」のレビューを前編と後編に分けて翻訳して公開します。後編は12月2日に公開しています)
市場はさらなるストリーミングデバイスを必要としているのだろうか?また、リビングルームはさらなるアプリプラットフォームを必要としているのだろうか?「Nexus Player」というストリーミングボックスと「Android TV」というOSを手にしたGoogleの答えは「もちろん!」というものだ。
じゃあ米CNETはどうなんだって?「今は様子を見た方がよいだろう」というのがわれわれの答えだ。
Googleが今までに発売してきた新製品の多くは、成熟するまでに長い時間が必要であった。Android TVの稼働する初のコンシューマー向けデバイスであるNexus Playerもその例外ではない。ストリーミングデバイスのプラットフォームは時とともに成熟していくため(いや、たいていの場合はという注釈が必要かもしれない)、この製品も今後数カ月から数年で一人前になってくれるだろう。しかし今のところは、サメの群れが渦を巻くなかに放り込まれて弱々しい鳴き声を上げているアザラシの赤ん坊のような状態だ。
このたとえでは、「Roku」や「Apple TV」が、そして「Amazon Fire TV」(特に、39ドルのスティック型新製品である「Amazon Fire TV Stick」)といった製品さえもが、腹を空かせた恐ろしいホオジロザメになり、Nexus Playerは格好の餌食ということになる。Nexus Playerにはアプリ不足という最大の問題に加えて、普及の進んでいない「Google Play Movies & TV」というコンテンツ配信サービスの使用をユーザーに押しつけてくるインターフェースという問題もある。さらに比較的高めの価格設定と接続性の低さにより、Googleに忠実なユーザー(おそらくはいまだにRokuを使って「Google Play」のストリーミングを行っているはずだ)以外にこの製品を勧めにくくなっている。
基盤としてのAndroid TVはしっかりしている。現在のところ制限はあるものの、音声検索はうまく動作し、最大の売りになっていると言える。また、この製品は35ドルの「Chromecast」に搭載されている機能すべて、すなわちアプリのキャストや画面のミラーリングにも対応している。改造マニアや実験好きなアーリーアダプターであれば、「Android」携帯をルート化したり、ROMに手を加えるように、より多くの機能を有効化できるかもしれない。Googleの売り文句は、このプラットフォームのオープンな性質と、プラットフォームの改善に手を貸そうと熱望するアプリ開発者の存在だ。ただこういった売り文句は、今はもう死に体の「Google TV」でも同じであった。
Android TVはその他のボックス型製品だけでなく実際のテレビにも搭載されようとしており、近い将来には間違いなくスティック型の製品が1つ、いや10種類くらい登場するはずだ。サポートされるアプリも増え、音声検索はより多くのサービスを対象とするようになり、価格も安くなるだろう。それまではNexus Playerを見送り、Android TVの成長を待つのがよいだろう。
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