Googleのスティック型ストリーミングメディア機器「Chromecast」の発売1周年を迎え、この格安ドングルの開発責任者に製品開発の背景やこの1年、そして将来を語ってもらった。
GoogleのChromecastは、価格の安さから消費者の心をわしづかみにし、ストリーミングメディアドングルというニッチなカテゴリで大ヒットを飛ばした。
Chromecastは、ワイヤレス形式を採用した初めてのストリーミングメディアドングルというわけではない。Rokuは同様の製品をかなり以前から製品化していた。しかし、Chromecastは35ドルという価格に加えて、発売当初はNetflixを3カ月間無料で利用できるという特典を付けていたため、瞬く間に大きな人気を集めた。この特典が付いたChromecastはAmazonでは4時間で、「Google Play」ストアでは24時間で売り切れとなり、Chromecast自体の在庫もわずか2日で底を尽いてしまった。現在でも、ChromecastはAmazonの家電ベストセラーリストの上位にランクインしている。
Chromecastの好調な売れ行きを見れば、店舗での人気は疑う余地もないが、だからといってリビングルームに浸透しているとは言えないと主張する人々もいる。市場調査会社Parks Associatesが6月に実施した調査によると、Chromecastの利用率は低下傾向にあるようだという。
7月末に同製品の発売から1年が経過したことを受け、米CNETはChromecastの製品管理担当ディレクターであるRishi Chandra氏にインタビューし、Chromecast開発の背景や、製品発表にこぎつけた時の祝賀会(テキーラショットでの祝杯もあったそうだ)、今後の予定について話を聞いた。以下はそのやり取りを編集したものだ。
——2013年7月のChromecastの発表までに、どのようなことを乗り越える必要があったのか聞かせてください。
われわれのチームは小規模でしたが、ユーザーのモバイル機器を活用するという素晴らしいアイデアを暖めていました。しかしその一方で、さまざまな難問にも直面していました。
最初の難問は、ユーザーがYouTubeやNetflixの素晴らしいエクスペリエンスを携帯電話上で得た際に、1つのボタン操作だけで、そう、たった1つのボタン操作だけでそのコンテンツをテレビに送り込めるのであれば、どういったことが起こるのだろうかというものでした。また、これが将来の姿であるとコンテンツ業界に対して納得してもらうにはどうすればよいだろうか?YouTubeと内部で、そしてNetflixとパートナー関係を締結している理由がここにあります。NetflixとYouTubeで、そういった点を証明できれば、どのような種類のコンテンツでも証明できるはずです。
2つ目の難問は、それをコンシューマーの手に届きやすい方法で実現するにはどうすればよいのかというものでした。このため、同デバイスをテレビの後ろに隠れるような形状にするとともに、Wi-Fi機能を搭載するという重要な設計原則を設けたのです。Wi-Fi機能のチューニングと調整、そしてコンシューマーが気軽に入手できるようにするためのコスト削減にはかなり時間を割きました。
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