Intelは、従来のチップ事業を超えて可能性を追求する取り組みの一環として、ゴーグル型の仮想現実デバイスを開発している会社や、ドローン(無人飛行機)を利用して空撮データを収集している会社、モバイル向けの音声や動画を手がける複数の企業に資金を提供している。
Intelの投資部門であるIntel Capitalは米国時間11月4日、カリフォルニア州ハンティントンビーチで開催した年次グローバルカンファレンスで、ハイテク企業16社に対する総額6200万ドルの投資について発表した。この数週間前、Intel Capitalは、複数の中国企業に対する2800万ドルの投資について明らかにしていた。これとは別に、Intelは11月3日、同社の「Edison」テクノロジを利用してイノベーションを起こすことを狙いとした新たなコンテスト「Make It Wearable Challenge」の勝者を発表した。賞金50万ドルのグランプリは、飛行機能を備えたウェアラブルカメラを開発しているNixieが獲得した。
Intel Capitalは1991年以降、総額110億ドル以上の投資を実施しているが、2014年の投資総額は3億5500万ドルに達すると予想している。
今回の新たな投資は、Intelが近年ウェアラブルや視線追跡技術、モバイルといった分野に注力していることを明確に示している。スマートフォンやタブレットを選ぶ消費者が増える中でPCは訴求力を失ってきており、世界最大のチップメーカーであるIntelは、PCを超えてビジネスを拡大しようと取り組んでいる。同社は、利益の大半をPCおよびデータセンター向けチップから得ているため、今後は新たな成長分野を見つける必要がある。
新たな投資対象16社の中には、カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点として仮想現実を手がけているAvegantが含まれる。同社は、ヘッドホンとしても使える消費者向けゴーグルの「Glyph」を開発している。Avegantは2014年に入り、クラウドファンディングサイトの「Kickstarter」を通じて100万ドル以上を調達しており、11月4日には、Intelが主導する937万ドルの資金調達ラウンドを発表した。
Avegantへの投資に加えて、Intel Capitalは11月4日、拡張現実や仮想現実に利用する視線追跡技術を開発しているEyefluenceへの新たな資金提供も発表した。Intel Capitalは2014年10月、中国での投資の一環として、虹彩認識技術を開発しているEyeSmartへの投資も発表している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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