Intelは米国時間9月26日、中国の国有のモバイル向けチップメーカー2社に最大15億ドルを出資すると発表した。Intelは、これまでに多額の財務損失を計上しているにもかかわらず、モバイル向けチップ事業から撤退する意向がないことを示した。
この出資に関連して、カリフォルニア州サンタクララに本社を置くIntelは、中国のモバイル向けチップメーカーSpreadtrum CommunicationsとRDA Microelectronicsの株式約20%を取得する計画だ。この2社は、国有企業のTsinghua Holdings Co.が経営権を握っている。今回の契約はスマートフォン向けチップに焦点を置いており、これに先立ち、Intelは5月にも、エントリーレベルのタブレットに対する同社の取り組みを支援するため、中国のチップメーカーRockchipと戦略的契約を締結している。
この2つの契約はいずれも、大手IT企業、特にIntelのような企業にとってモバイルが重要な意味を持つことを示している。IntelはPCおよびデータセンター向けチップの販売で独占的な地位を有しているが、デスクトップやノートPCからタブレットやスマートフォンへと消費者のシフトが続くにつれて、同社の将来が危うくなる可能性がある。Intelはこれまでのところ、QualcommやMediaTekをはじめとする競合企業に対抗してモバイル分野に参入することに苦戦しており、その過程で数十億ドルの損失を出している。Intelが今回モバイル分野で新たな事業を獲得した背景として、同社製チップをメーカー各社のタブレットに採用してもらうため、高い補助金をメーカー側に提供してきた部分が大きい。
26日の取引の一環として、IntelとSpreadtrumはIntelのアーキテクチャをベースとしたモバイル向けチップを共同開発し、SpreadtrumとRDAはこれらのチップを中国およびグローバル市場に向けて販売する予定だ。今回の提携による最初の新型チップは、2015年後半から提供される見込みだ。Intelの出資は2015年初めに完了する予定。
Intelのプラットフォームエンジニアリンググループのバイスプレジデントを務めるAmerico Lemos氏は、米CNETに対し、「この契約は非常に重要だ。なぜなら、われわれがより多くの製品をより速いペースで生産することにつながるからだ」と述べた。同氏はさらに、今回の契約によって、Spreadtrumのパートナー企業を通じてIntelのモバイル分野におけるプレゼンスも高まるはずだと付け加えた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス