一見すると他の製品と同じだが、左側のレンズの一部が湾曲している。実際に映像を見たところ他の製品よりも輝度が高くハッキリとした映像が見られた。
今回メガネ型ウェアラブル端末を出品していた東芝、コニカミノルタ、富士通、エプソンのうち、既に製品としては発売しているエプソンの第2世代MOVERIO以外はBtoB向け、つまり対企業向けに想定されている製品で、一般ユーザー向けはまだ想定されていない。
東芝の東芝グラスに関しては、担当者によると「ゆくゆくは一般ユーザー向けやスポーツなどの用途にも展開したいが、まずは企業向け」と語っていた。その背景には、技術的な問題よりも日本の社会はまだメガネ型ウェアラブル端末を受け入れる土壌ができていないことにある。問題のひとつは安全性だ。
メガネ型ウェアラブル端末は視界の一部をディスプレイにして遮ってしまう製品であり、ただでさえ「歩きスマホ」で起きる事故が問題になっている中、さらに拡大させる可能性がある。もちろん、各社は視界を極力遮らない工夫をしているが、問題なのは人間がディスプレイの情報を読み取ろうと凝視し、周囲から注意を逸らしてしまうことにある。実際、両眼式のMOVERIOは、使用中は移動しないようにと注意書きがされており、Google Glassのように町中をナビゲーションしたり、自転車に乗って使うなどの使用は想定されていない。しかし、BtoB向け製品であれば、企業が特定の用途でかつ限られた空間での使用となるため、こうした安全性の問題は用途を限定することである程度クリアできる。どうすれば社会に受け入れられるメガネ型ウェアラブル端末ができるか?という問いに対しては各社の担当は言葉を濁しており、これからの模索が必要な状況だ。