もちろん、ディスプレイの下の中央にはホームボタンが配置されている。iPhone 5sと同様、「Touch ID」に対応しているため、iPhone 6 Plusのロックを親指ですばやく解除することができる。親指の代わりに人差し指を使うこともでき、ほかに鍛えたい指があるなら、どの指でも使える。この機能に2013年の発表時ほどの斬新さはないが、Touch IDは今なお、ほかのスマートフォンに見られる指紋検出機能より迅速で、信頼性が高いことが示されている。
Touch IDはiPhone 6 Plusでは特に重宝する。従来の4桁のパスコードを入力してロックを解除する作業は、これほど大きなディスプレイでは少し大変な場合もあるからだ。少しの間ホームボタンを押える方が、かなり楽であることは間違いない。また、「iOS 8」(すべてのiPhone 6 Plusモデルに標準で搭載)ではついに、指紋によるアクセスをロック画面と「iTunes Store」だけでなく、さまざまなアプリで利用できるようになる。
親指がつってしまうという不幸な事態を避けるため、AppleはiPhone 6 Plusに「Reachability」という新機能を搭載した。ホームボタンをすばやく2回タップすると、ディスプレイ上部に表示されているすべてのコンテンツ(アプリアイコンや「Safari」のURLバーなど画面上部のあらゆるもの)が下に降りてくる(この操作はダブルプレスというよりダブルタップだ。ダブルプレスすると、「iOS 7」のようにアプリ切り替え画面が表示される)。理論上は便利な機能だが、あまり実用的ではない。
例えば、ディスプレイ上部にあるアイコンのフォルダを開きたいとき、ホームボタンをダブルタップするとそのフォルダが下に来るが、フォルダをタップして開くと、再び上部に戻ってしまう。フォルダ内のアイコンを選択するには、もう一度ホームボタンをダブルタップして、再度フォルダを下部に移動させる必要がある。これでは、親指が短い人にとっても、頻繁に利用するには必要なタップ回数が多すぎる。しかし、バスや電車に乗っていて、片手で何かに捕まる必要があるときには便利かもしれない。
ソフトウェアの変更点はほかにもあり、iPhone 6 Plus限定の機能として、本体を横向きに持ったとき、特別なレイアウトが一部のアプリに適用される。「Mail」や「Messages」などのアプリはiPad風の表示になり、メッセージリストを左側に、その内容を右側に表示する。これは非常に便利だ。ほかの多くのアプリ開発者も近い将来、この機能を実装するのではないだろうか。
iPhone 6 Plusが自分に向いているかどうかを判断する上で、手の大きさと、指をデバイスの隅まで精一杯伸ばすことをどれだけ許容できるかが、重要な要素になるだろう。ポケットに収まるかどうかも判断材料になる。カーゴタイプのパンツを着るとき以外は、外出時はiPhone 6 Plusをヒップポケットに入れたいと思うように恐らくなるだろう。
ファブレット初心者は、それに慣れるのに少し時間がかかるかもしれない。腰を下ろす前に忘れずにヒップポケットから取り出すことにも、しばらく慣れないだろう。極めて総合的なテストを行うため、筆者はiPhone 6 Plusの上に何度も座ってみたが、きしむこともひびが入ることも一切なかった。とはいえ、習慣的にiPhone 6 Plusの上に座ることはお勧めしない。その理由は、姿勢が悪くなること以外にもたくさんある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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